タイトル

開講年度 開講学部等
2025 国際総合科学部
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
後期 水3~4   1.0
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
1091011139 デザイン概論[Introduction to Design] 日本語 2
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
坂口 和敏[SAKAGUCHI Kazutoshi]
担当教員[ローマ字表記]
坂口 和敏 [SAKAGUCHI Kazutoshi], CRUZ GUERRA CHRISTIAN FRANCISCO [Christian Francisco CRUZ GUERRA], 冨本 浩一郎 [FUMOTO Koichiro]
特定科目区分 STEAM関連科目 対象学生   対象年次 1~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
本講義の目的は、山口大学の理念である「発見し、はぐくみ、かたちにする」というデザイン思考に関連する基本的知識の習得である。
デザインは色、形といった「モノ」のデザインから製品、サービス、さらには体験、ビジネスといった「コト」のデザインにその対象を広げている。
本講義では19世紀から現在に至るデザイン史を学びながら、デザイン理論について講義を通じて学ぶ。
建築、ビジュアルコミュニケーション、プロダクト、情報、サービス、イノベーション、ビジネス、デザインなどのテーマで各対象のデザインにおける特徴を概観する。加えて、人間中心デザインの考え方とそのプロセスについて説明する。
デザイン教員(坂口、クリス、冨本)ごとにデザイン理論に関する内容を教授する。
授業の到達目標
本講義の目標は、デザインの歴史を踏まえ、デザイン思考およびデザイン理論を理解し、創造力を育むための基礎力を養うことである。
授業計画
【全体】
本講義ではデザイン理論に関する基礎的な知識を教授する。
対面を基本とするが、授業の内容によってはオンラインで実施する場合がある。

【坂口担当回】
まず、建築や製品のデザインについて教授する。
次に情報やサービス、システムのデザインを教授する。
近年広がりを見せる社会イノベーションや先進事例については、実務者を招いた講演を予定している。

【クリス担当回】
デザインは、「歴史的、政治的、文化的、倫理的な声」を持つ社会の積極的な参加者であり、深く長い影響力を及ぼすものである。
最終回は実務者の講演を予定している。

【冨本担当回】
ユーザーの多様性やユーザーリサーチの方法,アイデア発想,プロトタイピングといったデザインプロセスに関連する内容について教授する。
最終回は実務者の講演を予定している。
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 建築をデザインする オリエンテーションとしてデザイン概論の全体像を解説する。
デザイン史の第1回として、建築のデザインを扱う。具体的にはモダニズム以降の建築史を扱い、特にコルビュジェ、フランクロイドライト、ミースの影響を中心に扱う。
配布資料を基に各自復習する。(学習時間の目安:1時間)
第2回 製品をデザインする デザイン史の第2回として、製品のデザインを扱う。具体的にはグラフィック、プロダクトなどのデザイン対象を扱う。 配布資料を基に各自復習する。(学習時間の目安:1時間)
第3回 サービスをデザインする デザイン史の第3回として、情報とサービスのデザインを扱う。具体的にはソフトウェア、Web、サービス、AI、IoTなどのデザイン対象を扱う。 配布資料を基に各自復習する。(学習時間の目安:1時間)
第4回 システムをデザインする デザイン史の第4回として、システムのデザインを扱う。具体的にはスマートシティ、循環型社会、シチズンシップなどのデザイン対象を扱う。 配布資料を基に各自復習する。(学習時間の目安:1時間)
第5回 デザインをデザインする
(実務者の講演)
デザイン領域で活躍する実務者をゲストに迎え,実践的な活動内容について講演を行う。 坂口担当回を総括して課題に対する小レポートを提出する。(学習時間の目安:3時間)
第6回 デザインの歴史 I デザインの歴史は、古代の君主制が崩壊し、より平等な社会を目指す社会革命にまでさかのぼる。 「国民の、国民による、国民のための政治」、言い換えれば、人々の本当の(社会的)ニーズについて考え始める。 配布資料を基に各自復習する。(学習時間の目安:1時間)
第7回 デザインの歴史 II(BauhausとULMケーススタディー) 歴史上最も影響力のある2つのデザイン教育機関の視点から深く掘り下げ、その視点が今のデザインのあらゆる側面に影響を及ぼしす理由を紹介する。 配布資料を基に各自復習する。(学習時間の目安:1時間)
第8回 デザインと政治(プロパガンダ対コミュニケーション) デザインは、人々の生活の質を変えることができる。デザイン、製品デザインやサービスデザインとのイメージが強いが、デザインは政治的にも活用し、社会に影響を与える大きな役割を担っている。 配布資料を基に各自復習する。(学習時間の目安:1時間)
第9回 デザインと文化・社会 文化は生き方であるが、デザインは住みやすい製品の開発を計画することを意味する。 文化とデザインが分離することはできず、古代の人間の文明から現在の世界へと融合できに展開している。本授業では、デザインが文化に深い影響を与えるいくつかの事例を見せながら進める。 配布資料を基に各自復習する。(学習時間の目安:1時間)
第10回 実務者の講演 デザイン領域で活躍する実務者をゲストに迎え,実践的な活動内容について講演を行う。 クリス担当回を総括して課題に対する小レポートを提出する。(学習時間の目安:3時間)
第11回 人間中心デザインプロセス概説 人間中心デザインのプロセスの基礎的な内容について説明を行う。 配布資料を基に各自復習する。(学習時間の目安:1時間)
第12回 多様なユーザーの理解 デザインにおけるユーザーとは何か,またユーザーの多様性とユーザーリサーチ手法について説明する。 配布資料を基に各自復習する。(学習時間の目安:1時間)
第13回 アイデア発想 デザインプロセスにおけるアイデア発想と視覚化の方法について,使用するツールやプロセスについて事例を交えて紹介する。 配布資料を基に各自復習する。(学習時間の目安:1時間)
第14回 プロトタイピングと評価 プロトタイプは,最終提案としてのモデルだけでなく,課題をチームで共有するための視覚化など,全体のデザインプロセスにおいて活用する。このプロトタイピングについて事例を交えて紹介する。
また,コンセプトや制作したプロトタイプに対して行うユーザー評価について説明する。具体的には,ユーザビリティ評価等について説明する。
配布資料を基に各自復習する。(学習時間の目安:1時間)
第15回 実務者の講演 デザイン領域で活躍する実務者をゲストに迎え,実践的な活動内容について講演を行う。 冨本担当回を総括して課題に対する小レポートを提出する。(学習時間の目安:3時間)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: 10% C: --% D: --%
成績評価法
授業評価は、デザインに関連したレポートに基づいて行う。
欠席は減点とし、事前連絡なく3回以上欠席した場合は欠格とする。

なお、評価の配分は以下の通りである。
授業態度・参加度10点、課題1(坂口)30点、課題2(クリス)30点、課題3(冨本)30点
教科書にかかわる情報
備考
適宜レジュメ等を配付します。
参考書にかかわる情報
参考書 書名 Visual art and education in an era of designer capitalism : deconstructing the oral eye ISBN 0230618790
著者名 Jan Jagodzinski 出版社 Palgrave Macmillan 出版年 2010
参考書 書名 Citizen designer : perspectives on design responsibility ISBN 9781621536406
著者名 edited by Steven Heller and Veronique Vienne 出版社 Allworth Press 出版年 2018
参考書 書名 Clean new world : culture, politics and graphic design ISBN 0262122375
著者名 Maud Lavin 出版社 MIT Press 出版年 2001
参考書 書名 The politics of design : a (not so) global manual for visual communication ISBN 9789063694227
著者名 Ruben Pater 出版社 BIS 出版年 2016
参考書 書名 The responsible object : a history of design ideology for the future ISBN 949209519X
著者名 Marjanne van Helvert (ed.) ; with contributions by Andrea Bando 出版社 Valiz 出版年 2016
参考書 書名 情報デザインの教室 : 仕事を変える、社会を変える、これからのデザインアプローチと手法 ISBN 9784621082720
著者名 情報デザインフォーラム編 出版社 丸善 出版年 2010
参考書 書名 サービスデザインの教科書 : 共創するビジネスのつくりかた ISBN 4757123655
著者名 武山政直著 出版社 NTT出版 出版年 2017
参考書 書名 人間中心設計入門 ISBN 9784764905061
著者名 山崎和彦, 松原幸行, 竹内公啓著 ; 黒須正明 [ほか] 編 出版社 近代科学社 出版年 2016
参考書 書名 デザイン思考が世界を変える : イノベーションを導く新しい考え方 ISBN 4152098937
著者名 ティム・ブラウン著 ; 千葉敏生訳 出版社 早川書房 出版年 2019
備考
坂口担当回の事前予習として以下の動画コンテンツを使用します。
Abstract:The Art of Design(Netflix)
https://www.netflix.com/jp/title/80057883
メッセージ
本講義ではデザイン全般の知識について歴史と背景を中心に学びます。
デザインは製品のみならずビジネスや経営戦略など様々な分野で欠かすことのできないスキルになりました。
4年間の学生生活でデザインのスキルを習得できるようこの講義で基礎知識を身につけましょう。
キーワード
建築、ビジュアルコミュニケーション、プロダクト、情報、サービス、イノベーション、ビジネス、デザイン、デザイン史、デザイン思考、人間中心デザイン、デザイン倫理、デザイン責任
持続可能な開発目標(SDGs)

  • 貧困をなくそう
  • 飢餓をゼロに
  • すべての人に健康と福祉を
  • 質の高い教育をみんなに
  • ジェンダー平等を実現しよう
  • 安全な水とトイレをみんなに
  • エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 働きがいも経済成長も
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 人や国の不平等をなくそう
  • 住み続けられるまちづくりを
  • つくる責任つかう責任
  • 気候変動に具体的な対策を
  • 海の豊かさを守ろう
  • Life on land
  • パートナーシップで目標を達成しよう
  • パートナーシップで目標を達成しよう
(貧困)あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる。
(飢餓)飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。
(保健)あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。
(教育)すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。
(ジェンダー)ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う。
(水・衛生)すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。
(エネルギー)すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する。
(経済成長と雇用)包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する。
(インフラ、産業化、イノベーション)強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
(不平等)各国内及び各国間の不平等を是正する。
(持続可能な都市)包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する。
(持続可能な生産と消費)持続可能な生産消費形態を確保する。
(気候変動)気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる。
(海洋資源)持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する。
(陸上資源)陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する。
(平和)持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する。
(実施手段)持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する。
関連科目
基盤科目「デザイン演習」
創造支援科目「デザイン基礎(スケッチ・ダイアグラム)」、「デザイン基礎(エディトリアルデザイン)」、「デザイン基礎(立体構成)」、「ユーザエクスペリエンス」、「ワークショップデザイン」、「スペースデザイン」、「コンピュータグラフィックス」、「写真撮影技術」、「動画撮影技術」、「デジタルファブリケーション1(レーザー加工/CNC)」、「デジタルファブリケーション2(3DCAD/3Dプリンティング)」、「ファブリケーション技術」
展開科目「サービスデザイン」、「ビジュアルコミュニケーション」、「インクルーシブデザイン」
履修条件
連絡先
k-saka[at]yamaguchi-u.ac.jp
chris[at]yamaguchi-u.ac.jp
fumoto[at]yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
坂口:質問や相談がある場合はメールで予約してください。
クリス:特に設定なし(事前にアポとってください)
冨本:特に設定なし(事前にアポとってください)

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