開講年度
開講学部等
2025
国際総合科学部
開講学期
曜日時限
授業形態
AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
後期前半
水1~2,金5~6
9.0
時間割番号
科目名[英文名]
使用言語
単位数
1091011173
文化社会論演習Ⅰ(環境と心理)[Culture and Society Seminar I]
日本語
2
担当教員(責任)[ローマ字表記]
メディア授業
杉野 弘明[SUGINO Hiroaki]
ー
担当教員[ローマ字表記]
杉野 弘明 [SUGINO Hiroaki]
特定科目区分
STEAM関連科目
対象学生
対象年次
2~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目
カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
メディア授業
×
メディア授業とは,メディアを利用して遠隔方式により実施する授業の授業時数が,総授業時数の半数を超える授業をいいます。
メディア授業により取得した単位は,卒業要件として修得すべき単位のうち60単位を超えないものとされています。
授業の目的と概要
我々が感覚情報に基づき認識している主観的世界は実際に我々を取り巻く客観的世界とは必ずしも一致しない。すなわち客観的世界に表現された色彩や形状はそのまま主観的世界に反映されているわけではない。
本科目は心理学とデザインの相互関係について,感覚知覚や記憶,注意の基本特性,社会と人の相互作用の観点から理解する。
授業の到達目標
地域社会や国際社会、様々な規模・地域において多様な課題が生じている。これらの社会的な課題に対し積極的に関与するには、科学・技術や文化・社会など幅広い知識とそれらを総合的に活用し、多様な文化的・思想的な背景を持つ人々と協調し、適切な課題の設定と解決へとつながる実践力が求められる。本科目では、そのための思想・文化、政治・経済に関わる基本的な知識や様式の習得と共に、人と社会が関わる諸問題に対する自発的な疑問と思考を育み、課題解決に向けて積極的に関与するための実践的な基盤を育むことを目的とする。
授業計画
【全体】
講義内容は人間の視知覚,注意,記憶,人間と環境との相互関係について取り扱う。授業は基本的にスクリーンにプレゼンテーション資料を投影する。授業中に模擬実験を行う場合もある。授業ごとに内容理解やその応用可能性を問うレポート課題を課す。
項目
内容
授業時間外学習
備考
第1回
デザインと心理学
ガイダンス,デザインと心理学の関係性について
第2回
デザインとは
情報,環境,製品を見る,触れる,考える
第3回
視知覚1
視覚の重要性,主観的世界と客観的世界,視角の経路,可視光線,眼の構造,視角,視力,視交叉
第4回
視知覚2
錐体細胞・桿体細胞,視細胞の分布,順応,負の残像
第5回
造形知覚
主観的輪郭,図と地,群化の要因,奥行き知覚,知覚的恒常性,運動の知覚,動的知覚
第6回
選択的注意
注意の種類,視覚的探索,探索非対称性,刺激駆動注意,損失利得法,注意資源と見落とし,変化盲
第7回
日常記憶
生態学的妥当性,記憶の錯誤,フォールスメモリ,感情と記憶,構成的記憶
第8回
心理特性に配慮したデザイン
心理特性に配慮したデザインについて考える。最終課題に向けて頭出し
第9回
社会と心理
自己呈示と自己開示,心理的リアクタンスとブーメラン効果
第10回
さまざまな感覚とデザイン
知覚と認知、および諸感覚(嗅覚,味覚,触覚)
第11回
視覚障害とデザイン
盲とロービジョン,ユニバーサルデザインとバリアフリー
第12回
学習と睡眠のデザイン
文脈の一致,精緻化,逆行性干渉,昼寝,睡眠完成
第13回
コミュニケーションとデザイン
言語的コミュニケーション,非言語的コミュニケーション,ダブルバインド,送り手,受け手
第14回
失敗とデザイン
ヒューマンエラー,コンパティビリティーポピュレーションステレオタイプ,アフォーダンス
第15回
まとめとデザイン
これまでの授業内容を踏まえて,身の回りにあるものや環境についてよりよいデザインを提案する
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: 30% B: 40% C: 5% D: 15%
成績評価法
本講義では、講義中の小課題、講義時間外の課題レポート(複数回)、最終課題に基づいて評価を行います。
講義中の小課題20%、時間外課題レポート50%、最終課題30%
教科書にかかわる情報
備考
教科書は用いずに適宜資料を配付する。
参考書にかかわる情報
参考書
書名
環境心理学 : 人間と環境の調和のために
ISBN
9784781914435
著者名
羽生和紀著
出版社
サイエンス社
出版年
2019
参考書
書名
感性と会話するデザイン : デザイン基礎講座
ISBN
9784881082652
著者名
内田広由紀著
出版社
視覚デザイン研究所
出版年
2019
備考
その他参考となる資料は適宜紹介する。
メッセージ
本講義では、デザインがどれだけ我々の生活を豊かにしているのか、(そして逆にうまくデザインされていないことが不具合を引き起こすのか)そのロジックを心理学の観点から紐解いていくものです。
また、理論や知識を学ぶだけではなく、それらを応用して参加者自身の周囲にある環境のデザインを、ちょっとでも良くするための実践的な活動に結びつくことを目指しています。
「デザインとは、目的の表現である」とイームズは述べています。日々の何気ない行動も、目的の集合です。ふと立ち止まって、素敵な行動を理解・分解し、皆さんが人生で今後出会う環境をどうデザインすべきかを議論し、一緒に考えていく時間になればと思います。
キーワード
認知心理学、環境心理学、生態学的心理学、認知、知覚、環世界、相互浸透作用、デザイン
持続可能な開発目標(SDGs)
(教育)すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。
(インフラ、産業化、イノベーション)強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
(持続可能な都市)包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する。
(持続可能な生産と消費)持続可能な生産消費形態を確保する。
(平和)持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する。
関連科目
メディア・デザイン、表象文化論概論、ビジュアル・コミュニケーション・デザイン、デザイン基礎
履修条件
連絡先
教員居室:教育学部C棟2階209号室
内線:5525
E-mail:hsugino [at] yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
特に設けていません。必要があれば小さな質問でも構いませんので、いつでも連絡してください。メールでのお問い合わせも可能です。事前にアポを取ってもらえると助かりますが、ふらっと教員室に来て頂いても構いません。教員室に在室中は、ウェブ会議を行っている等を除き、できるだけ対応いたします。
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