開講年度
開講学部等
2025
国際総合科学部
開講学期
曜日時限
授業形態
AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期後半
月3~4,火9~10
2.0
時間割番号
科目名[英文名]
使用言語
単位数
1091011338
文化社会論演習Ⅳ(医療人類学)[Culture and Society Seminar IV]
日本語
2
担当教員(責任)[ローマ字表記]
メディア授業
星野 晋[HOSHINO Shin]
ー
担当教員[ローマ字表記]
星野 晋 [HOSHINO Shin]
特定科目区分
STEAM関連科目
対象学生
対象年次
3~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目
カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
メディア授業
×
メディア授業とは,メディアを利用して遠隔方式により実施する授業の授業時数が,総授業時数の半数を超える授業をいいます。
メディア授業により取得した単位は,卒業要件として修得すべき単位のうち60単位を超えないものとされています。
授業の目的と概要
「病むこととケア」というテーマをとおして、人間を総合的に理解しようとする医療人類学の視点・方法について学ぶ。さらには今日医療が抱える社会・文化的諸問題の背景や要因を知り、それらに対する解決の方向性を模索する。
授業の到達目標
地域社会や国際社会、様々な規模・地域において多様な課題が生じている。これらの社会的な課題に対し積極的に関与するには、科学・技術や文化・社会など幅広い知識とそれらを総合的に活用し、多様な文化的・思想的な背景を持つ人々と協調し、適切な課題の設定と解決へとつながる実践力が求められる。本科目では、そのための思想・文化、政治・経済に関わる基本的な知識や様式の習得と共に、人と社会が関わる諸問題に対する自発的な疑問と思考を育み、課題解決に向けて積極的に関与するための実践的な基盤を育むことを目的とする。
本授業では文化人類学の視点と方法を用いて、人が病むとはどういうことかについて理解を深め、現代医療が抱える社会・文化的諸問題に対する解決の糸口を見いだす目と考え方を身につける。
授業計画
【全体】
国際医療協力における文化摩擦、生殖補助医療、臓器移植、輸血拒否、医学生の解剖実習、医療者・患者間のすれちがい等、病むこととケアに関わる様々なトピックについて、文化人類学・医療人類学的視点から論じる
項目
内容
授業時間外学習
備考
第1回
オリエンテーション、医療人類学の視点と方法
授業スタイルや評価方法についてのオリエンテーション。医療人類学の基本的視点・方法・概念を理解する。
授業中に指示した学習(学習時間の目安:2 時間以上)
第2回
文化と医療
国際保健における文化摩擦のケースをとおして文化と医療の関係を理解する。
授業中に指示した学習(学習時間の目安:120分以上)
第3回
生殖への介入
不妊治療に代表される生殖補助医療について理解する
授業中に指示した学習(学習時間の目安:120分以上)
第4回
家族と生殖補助医療
今日、生殖補助医療が家族関係にどのような影響を与えているかについて理解すると共に、家族とは何かについて考える
授業中に指示した学習(学習時間の目安:120分以上)
第5回
どこから人と見なすか
人工妊娠中絶をめぐる文化的多様性を例に、何をもって人とするかというテーマについて考える
授業中に指示した学習(学習時間の目安:120分以上)
第6回
文化摩擦としての輸血拒否
輸血拒否を事例に、現代社会における医療技術をめぐる文化摩擦について考える
授業中に指示した学習(学習時間の目安:120分以上)
第7回
イニシエーションとしての解剖実習(1)
医学生の解剖実習の事例から、現代医療の独特の視点や文化を理解する。
授業内容の復習(60分)
次回に向けての宿題レポート(60分)
第8回
イニシエーションとしての解剖実習(2)
医学生の解剖実習の事例から、現代医療の独特の視点や文化を理解する。
授業内容の復習(60分)
次回に向けての宿題レポート(60分)
第9回
サファリングとケアリング
シャーマンによるケアと医療がなぜ共存しうるのか、比較検討しつつ、サファリングという分析概念を提起する。
授業中に指示した学習(学習時間の目安:120分以上)
第10回
病むことの語り
病者の語り(ナラティヴ)をとおして、生活者にとっての病むこととケアについて理解する社会的制度における医療と病人の関係について考察する
授業中に指示した学習(学習時間の目安:120分以上)
第11回
医療者-患者関係は異文化間コミュニケーション
医療者-患者関係を異文化間コミュニケーションとして理解する
授業内容の復習(60分)
次週のディスカッションに向けての宿題レポート(60分)
第12回
SGD:事例検討
グループワーク:事例で示された課題の解決法を探る医療者-患者関係を異文化間コミュニケーションとして理解する
授業中に指示した学習(学習時間の目安:120分以上)授業内容の復習(60分)
次週のディスカッションに向けての宿題レポート(60分)
第13回
高齢化・人口減がもたらすこと
高齢化・人口減が日本およびアジア諸国にどのような変化をもたらすか、対してどのような取り組みが必要か考える
授業中に指示した学習(学習時間の目安:120分以上)
第14回
地域医療と人類学
高齢化・人口減がすすむ日本の地域医療・福祉において人類学がどのような知見を提供できるか検討する
授業中に指示した学習(学習時間の目安:120分以上)
第15回
総括
授業の全体をまとめ、改めて医療人類学の視点と方法について確認する。
最終レポートの作成・提出(120分)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: 10% B: 10% C: --% D: --%
成績評価法
毎回の授業コメント(2×15=30%)、宿題小レポート(10×2=20%)、最終レポート(35%)、授業態度その他(15%)。全出席が望ましいが、やむを得ない事情による欠席は4回まで認める。それ以上の欠席は欠格として単位を与えない。
教科書にかかわる情報
備考
教科書は用いない
参考書にかかわる情報
備考
・『苦悩することの希望:専門家のサファリングの人類学』 浮ケ谷幸代編 協同医書出版社, 2014.
・『病むことの文化:医療人類学のフロンティア』 波平恵美子 編 海鳴社, 1990.
・『ナラティブと医療』 江口重幸, 斎藤清二, 野村直樹 編 金剛出版, 2006.
・『日本人の病気観:象徴人類学的考察』 大貫恵美子 岩波書店, 1985.
メッセージ
視点を変えることでものごとの見え方が変わってくることを楽しんでください。
なおレポートやコメントにおける生成AIの使用は思考の補助にとどめ、コピペ等の依存的使用はしないでください(盗用と見なし単位を与えないことがあります)。
キーワード
生殖補助医療、臓器移植、国際保健、文化摩擦、解剖実習、シャーマニズム、地域医療
持続可能な開発目標(SDGs)
(保健)あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。
関連科目
履修条件
連絡先
hoshino@yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
随時。メール等でアポイントメントをとること。
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