開講年度
開講学部等
2025
国際総合科学部
開講学期
曜日時限
授業形態
AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
後期後半
火1~2,木9~10
2.0
時間割番号
科目名[英文名]
使用言語
単位数
1091011366
科学技術論演習Ⅱ(社会科学情報処理展開)[Science and Technology Seminar II]
日本語
2
担当教員(責任)[ローマ字表記]
メディア授業
杉野 弘明[SUGINO Hiroaki]
ー
担当教員[ローマ字表記]
杉野 弘明 [SUGINO Hiroaki]
特定科目区分
STEAM関連科目
対象学生
対象年次
2~
ディプロマ・ポリシーに関わる項目
カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
メディア授業
×
メディア授業とは,メディアを利用して遠隔方式により実施する授業の授業時数が,総授業時数の半数を超える授業をいいます。
メディア授業により取得した単位は,卒業要件として修得すべき単位のうち60単位を超えないものとされています。
授業の目的と概要
本講義は、「科学技術論演習Ⅱ:社会科学情報処理入門」および「科学技術論演習Ⅲ:社会科学情報処理応用」に関連して、社会科学研究を進める際に有効となる多様なデータ解析手法を実践的に学ぶことを目的とする。具体的には、テキストマイニング、地理情報システム(GIS)、ネットワーク分析といったアプローチを取り上げ、それらを実現するためのオープンかつフリーなソフトウェア(例:R、QGIS、Gephi 等)の活用方法を紹介する。授業では、各手法の理論的背景や研究事例を学んだうえで、実際にソフトウェアを用いてデータを処理・分析する演習を行う。これにより、学生は複数の分析手法を横断的に体験し、社会科学的課題に適切なアプローチを選択・応用できる基礎力を養うことを目指す。
授業の到達目標
地域社会や国際社会、様々な規模・地域において多様な課題が生じている。これらの社会的な課題対し積極的に関与するには、科学・技術や文化・社会など幅広い知識とそれらを総合的に活用し、情報収集や問題点の整理、更に適切な課題の設定と解決へとつながる実践力が求められる。本科目では、そのための科学技術に関わる基本的な知識や技術の習得と共に、科学技術と社会が関わる諸問題に対する自発的な疑問と思考を育み、課題解決に向けて積極的に関与するための実践的な基盤を育むことを目的とする。
授業計画
【全体】
毎回の授業にて,アクティブラーニング型授業を展開する。1回の授業の基本的な構成は下記の通りである;
【前半】講義形式で進め,各回全般的事項に係る「知識・理解」の獲得を図る。
【後半】各回の中心的事項に関して,主に個人作業を通して「実践的技能」の習得を図る。
項目
内容
授業時間外学習
備考
第1回
ガイダンス・導入・環境構築
授業の目的・進め方、社会科学研究における多様なデータ解析の位置づけを解説
講義内容の予習と復習(目安:2時間)
第2回
テキストマイニング①
テキストデータ解析の意義、形態素解析の基礎(MeCabの概要)
講義内容の予習と復習(目安:2時間)
第3回
テキストマイニング②
Rでの単語頻度分析・ワードクラウドの作成
講義内容の予習と復習(目安:2時間)
第4回
テキストマイニング③
共起関係の抽出と簡単なネットワーク可視化(igraphの利用)
講義内容の予習と復習(目安:2時間)
第5回
テキストマイニング④
社会調査・SNS・新聞記事を対象とした事例研究と実践演習
講義内容の予習と復習(目安:2時間)
第6回
GIS①
GISの基礎(座標系・空間データ形式)、社会科学におけるGIS利用例
講義内容の予習と復習(目安:2時間)
第7回
GIS②
QGISを用いた地図の作成(シェープファイルの読み込みと表示)
講義内容の予習と復習(目安:2時間)
第8回
GIS③
Rのsfパッケージを用いた地理データ処理・描画
講義内容の予習と復習(目安:2時間)
第9回
GIS④
統計データ(人口・産業等)との統合、地域課題の可視化
講義内容の予習と復習(目安:2時間)
第10回
ネットワーク分析①
ネットワーク分析の基本概念(ノード・エッジ・中心性・クラスタ)
講義内容の予習と復習(目安:2時間)
第11回
ネットワーク分析②
igraphを用いたネットワーク分析(中心性・クラスタリング)
講義内容の予習と復習(目安:2時間)
第12回
ネットワーク分析③
Gephiの基本操作(ネットワークデータのインポート、レイアウト、可視化)
講義内容の予習と復習(目安:2時間)
第13回
ネットワーク分析④
SNSデータや引用関係データを例にしたネットワーク分析
講義内容の予習と復習(目安:2時間)
第14回
統合演習
テキスト・GIS・ネットワークの横断的な統合演習を行う
講義内容の予習と復習(目安:2時間)
第15回
振り返りとまとめ
講義全体を振り返るために,これまで学んできた様々な社会科学調査のデータ解析に関する演習課題を行う。
講義内容の復習(目安:2時間)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: 10% C: --% D: 10%
成績評価法
本講義では、講義内課題、講義外課題レポート、最終成果物に基づいて評価します。
講義内課題30%、講義外課題レポート40%、最終成果物30%
教科書にかかわる情報
備考
特に用いない。毎回講義内容に応じた資料を配布する。
参考書にかかわる情報
参考書
書名
Rによるデータサイエンス : データ解析の基礎から最新手法まで
ISBN
9784627096028
著者名
金明哲著
出版社
森北出版
出版年
2017
参考書
書名
Rによるやさしいテキストアナリティクス
ISBN
9784274230639
著者名
小林雄一郎著
出版社
オーム社
出版年
2023
参考書
書名
Rによる地理空間データ解析入門
ISBN
978-4320124394
著者名
Chris Brunsdon, Lex Comber著 ; 湯谷啓明, 工藤和奏, 市川太祐訳
出版社
共立出版
出版年
2018
参考書
書名
ネットワーク科学 : ひと・もの・ことの関係性をデータから解き明かす新しいアプローチ
ISBN
978-4320124479
著者名
Albert‐László Barabási原著 ; 京都大学ネットワーク社会研究会訳
出版社
共立出版
出版年
2019
備考
上記参考文献は大学図書館で閲覧が可能となっている。その他必要となる参考文献および情報は、授業の中で適宜紹介する。
メッセージ
この授業では、社会科学の研究を進めるときに役立ついろいろなデータ解析の方法を体験してもらいます。テーマは「テキスト」「地図」「ネットワーク」。Rに加えて、QGISやGephiといったフリーソフトを実際に動かしながら、テキストマイニング、GIS、ネットワーク分析を一通り学んでいきます。最近の研究や社会の現場では、ちょっとしたプログラミングやデータ処理のスキルが必要とされることが増えています。でも同時に、誰でも無料で使える強力なツールが次々に出てきています。そうしたツールに触れてみること自体が、自分の研究や将来につながる大きなチャンスになります。この授業は、これまでの「社会科学情報処理」で学んだことを土台にして、もう一歩踏み込む内容です。完璧にできなくても大丈夫。大切なのは、いろいろな方法を体験して「自分はどんな分析に興味があるか」を見つけることです。本講義の内容というよりかは、新たな手法にチャレンジする経験そのものが、今後の卒業研究や将来のキャリアで必ず役立つスキルになります。ぜひ、自分なりの社会課題を意識しながら、意欲的に参加してみてください。
キーワード
情報処理、統計解析、統計学、計算社会科学、データサイエンス、多変量解析、機械学習、GIS、ネットワーク分析、テキストマイニング
持続可能な開発目標(SDGs)
(教育)すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。
関連科目
アカデミック・ツールのための数学、統計学入門IとII、統計学演習IとII、社会調査法IとII、プロジェクト型課題解決研究、科学技術論演習Ⅱ:社会科学情報処理入門、科学技術論演習Ⅲ:社会科学情報処理応用、科学技術論演習Ⅰ:Human Computer Interaction、社会調査法、PBL
履修条件
特に履修条件は定めないが、他の社会科学情報処理系の科目と組み合わせて、学生自身のスキルアップに繋がるように受講を行うことが望ましい。
連絡先
教員居室:教育学部C棟2階209号室
内線:5525
E-mail:hsugino [at] yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
特に設けていません。必要があれば小さな質問でも構いませんので、いつでも連絡してください。メールでのお問い合わせも可能です。事前にアポを取ってもらえると助かりますが、ふらっと教員室に来て頂いても構いません。教員室に在室中は、ウェブ会議を行っている等を除き、できるだけ対応いたします。
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