タイトル

開講年度 開講学部等
2025 大学院人間社会科学研究科(修士課程)
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期 月3~4   10.0
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
2111000013 インタラクションデザイン特論[Advanced Interaction Design] 日本語 2
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
坂口 和敏[SAKAGUCHI Kazutoshi]
担当教員[ローマ字表記]
坂口 和敏 [SAKAGUCHI Kazutoshi]
特定科目区分   対象学生   対象年次  
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
授業の目的:
本講義では、スマートシティの設計における人間中心アプローチの重要性を理解し、技術と人間の関係を再考することを目的とする。技術中心のスマートシティが直面する課題を批判的に分析し、市民参加を促進するインタラクティブシステムのデザインを通して、新しい都市デザインの方法論を学ぶ。

概要:
スマートシティ構想は、ICT技術やデータ活用を通じた都市の最適化を目指すが、実際には技術偏重や市民の関与不足が課題となっている。本講義では、「メタ目的への遡行」「市民参加」「ナラティブ実践」「システム思考」という4つの人間中心アプローチを軸に、都市設計の理論と実践を学ぶ。ワークショップやプロジェクト型学習を取り入れ、参加者自身がインタラクションデザインの視点から都市課題に取り組む実践的な授業とする。
授業の到達目標
本講義の目標は、インタラクティブシステムのデザインに関する知識とスキルを総合的に習得することである。具体的にはリサーチ、アイディエーション、プロトタイピング、実装のデザインプロセスに通じて、実践的な研究を行いながら知識とスキルを習得する。
- リサーチ:観察やインタビューを通じたユーザ調査および文脈の把握(DP1)
- アイディエーション:戦略、ビジョン、UX/UIを含むコンセプトの構築(DP2)
- プロトタイピング:プロトタイピングツールを活用した解決策の具現化(DP3)
- 実装:対象とする文脈への実装とユーザ評価の実施(DP3)
授業計画
【全体】
本講義では、スマートシティにおける社会的規範やアクター(市民、行政、企業、モビリティ、技術インフラなど)の相互作用を考察し、そこから見出される課題を解決、あるいは新たな価値を創造するインタラクションデザインを学ぶ。

•分析フェーズ:スマートシティの文脈における社会的規範・行動、ステークホルダー・アクター間の関係を調査・分析
•統合フェーズ:ハードウェアとソフトウェアを組み合わせたプロトタイプの制作を通して、スマートシティに資するインタラクションを創出・検証

スマートシティにおける持続可能性、人間中心設計(多様な住民のニーズ・文化的背景を尊重)、公共性などを重視したデザイン思考を習得することを目的とする。

講義時間はデザインレビューを行うため、授業外に制作を行いレビューを受けられる準備をした上で参加することを前提とする。
対面を基本とするが、授業の内容によってはオンラインで実施する場合がある。
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 オリエンテーション 授業の目的・進め方の説明、スマートシティの概要 次回のデザインレビューに向けて調査分析を行う(学習時間の目安:2時間)
第2回 スマートシティの課題① スマートシティの課題 次回のデザインレビューに向けて調査分析を行う(学習時間の目安:2時間)
第3回 スマートシティの課題② 山口市の取り組みについて(専門家を交えた形式を想定) 次回のデザインレビューに向けて調査分析を行う(学習時間の目安:2時間)
第4回 人間中心アプローチ① フィールドワーク:都市の観察とデータ収集、コンテクスチュアルインクワイアリ 次回のデザインレビューに向けて調査分析を行う(学習時間の目安:2時間)
第5回 人間中心アプローチ② 関係者へのヒアリング(専門家を交えた形式を想定) 次回のデザインレビューに向けて調査分析を行う(学習時間の目安:2時間)
第6回 人間中心アプローチ③ まちの事象の分析と可視化 次回のデザインレビューに向けて調査分析を行う(学習時間の目安:2時間)
第7回 中間発表 中間発表ではポスターを用いて発表し、ディスカッションを行う(専門家を交えた講評会形式を想定) 次回のデザインレビューに向けてアイデア検討を行う(学習時間の目安:3時間)
第8回 インタラクションデザイン① 場のデザインの実践事例(専門家を交えた形式を想定) 次回のデザインレビューに向けてアイデア検討を行う(学習時間の目安:3時間)
第9回 インタラクションデザイン② デザインドリブンリサーチおよびデザイン制約の整理
次回のデザインレビューに向けてアイデア検討を行う(学習時間の目安:3時間)
第10回 インタラクションデザイン③ アイデアスケッチによる場のデザイン
次回のデザインレビューに向けてアイデア検討を行う(学習時間の目安:3時間)
第11回 インタラクションデザイン④ UX手法を用いたシナリオ構築 次回のデザインレビューに向けてプロトタイプ制作を行う(学習時間の目安:3時間)
第12回 プロトタイピング① 価値検証のためのプロトタイピングとユーザー評価
次回のデザインレビューに向けてプロトタイプ制作を行う(学習時間の目安:3時間)
第13回 プロトタイピング② ストーリーテリングとデザイン提案
次回のデザインレビューに向けてプロトタイプ制作を行う(学習時間の目安:3時間)
第14回 最終プレゼン準備 デザインの最終調整、発表スライド作成 次回のデザインレビューに向けてプロトタイプ制作を行う(学習時間の目安:3時間)
第15回 最終発表 成果発表ではポスターとプロトタイプを用いて発表し、ディスカッションを行う(専門家を交えた講評会形式を想定) 演習全体を通してを振り返りを行う(学習時間の目安:1時間)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: 25% B: 25% C: 25% D: 25%
成績評価法
本講義は、プレゼンテーションによって評価を行なう。
講義時間はデザインレビューを行うため、授業外に制作を行いレビューを受けられる準備をした上で参加することを前提とする。

成績評価は授業態度10%、中間発表40%、最終発表40%とし、
事前連絡なく3回以上欠席した場合は欠格とする。
教科書にかかわる情報
備考
適宜レジュメ等を配付します。
参考書にかかわる情報
参考書 書名 This is service design thinking : basics--tools--cases : 領域横断的アプローチによるビジネスモデルの設計 ISBN 4861008522
著者名 マーク・スティックドーン, ヤコブ・シュナイダー編著 出版社 ビー・エヌ・エヌ新社 出版年 2013
参考書 書名 This is service design doing. : サービスデザインの実践 ISBN 4802511248
著者名 マーク・スティックドーン [ほか] 編著 出版社 ビー・エヌ・エヌ新社 出版年 2020
参考書 書名 The smart enough city : putting technology in its place to reclaim our urban future ISBN 0262538962
著者名 Ben Green 出版社 The MIT Press 出版年 2020
参考書 書名 Feminist city ISBN 9781788739818
著者名 Leslie Kern 出版社 Verso 出版年 2020
参考書 書名 Contextual design : design for life ISBN 9780128008942
著者名 Karen Holtzblatt, Hugh Beyer 出版社 Morgan Kaufmann 出版年 2017
備考
自習や復習のために各自で参考書を購入することを推奨する。
メッセージ
本演習はデザイン思考とシステム思考の両面からインタラクティブシステムをデザインする方法を学びます。
スマートシティを実現するには技術中心から人間中心へのアプローチの変革が必要です。
市民一人ひとりがサービスエコシステムのアクターとなるために必要なインタラクティブシステムとは?
インタラクションデザインを体型的に学びながら皆さんと一緒にスマートシティのあり方を考えていきます。
キーワード
スマートシティ、循環型社会、サーキュラーエコノミー、サーキュラーデザイン、行動変容、習慣化、価値共創、デザインプロジェクト、サービス、サービスデザイン、エシカル、倫理、インタラクションデザイン、インタラクティブデザイン、システムデザイン、インタラクション、インタフェース、情報デザイン、ユーザエクスペリエンス、UIUX
持続可能な開発目標(SDGs)

  • 貧困をなくそう
  • 飢餓をゼロに
  • すべての人に健康と福祉を
  • 質の高い教育をみんなに
  • ジェンダー平等を実現しよう
  • 安全な水とトイレをみんなに
  • エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 働きがいも経済成長も
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 人や国の不平等をなくそう
  • 住み続けられるまちづくりを
  • つくる責任つかう責任
  • 気候変動に具体的な対策を
  • 海の豊かさを守ろう
  • Life on land
  • パートナーシップで目標を達成しよう
  • パートナーシップで目標を達成しよう
(貧困)あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる。
(飢餓)飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。
(保健)あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。
(教育)すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。
(ジェンダー)ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う。
(水・衛生)すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。
(エネルギー)すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する。
(経済成長と雇用)包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する。
(インフラ、産業化、イノベーション)強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
(不平等)各国内及び各国間の不平等を是正する。
(持続可能な都市)包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する。
(持続可能な生産と消費)持続可能な生産消費形態を確保する。
(気候変動)気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる。
(海洋資源)持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する。
(陸上資源)陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する。
(平和)持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する。
(実施手段)持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する。
関連科目
国際総合科学部開講科目
基盤科目「デザイン概論」、「デザイン演習」
展開皆目「サービスデザイン」
創造支援科目「ユーザエクスペリエンス」、「デザイン基礎(スケッチ・ダイアグラム)」、「ワークショップデザイン」、「スペースデザイン」
履修条件
なお、製作物を個別指導するため、最大10名程度の定員を設定する。
抽選の際は以下を優先する。
1.上級生
2.共創科学専攻所属学生
連絡先
k-saka[at]yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
質問や相談がある場合はメールで予約してください。

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