開講年度
開講学部等
2025
大学院人間社会科学研究科(修士課程)
開講学期
曜日時限
授業形態
AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期後半
木1~2
2.0
時間割番号
科目名[英文名]
使用言語
単位数
2111000030
知的財産特論[Advanced Intellectual Property]
日本語
1
担当教員(責任)[ローマ字表記]
メディア授業
陳内 秀樹[JINNAI Hideki]
ー
担当教員[ローマ字表記]
陳内 秀樹 [JINNAI Hideki], KUCHKOROV MIRSHOD [KUCHKOROV MIRSHOD]
特定科目区分
対象学生
人間社会科学研究科(日本人)
対象年次
ディプロマ・ポリシーに関わる項目
カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
メディア授業
×
メディア授業とは,メディアを利用して遠隔方式により実施する授業の授業時数が,総授業時数の半数を超える授業をいいます。
メディア授業により取得した単位は,卒業要件として修得すべき単位のうち60単位を超えないものとされています。
授業の目的と概要
持続可能な共生社会の実現のためには、様々な社会課題を解決に導く人間性に対する深い洞察と現代社会に対する的確な分析が必要です。
知的財産権(特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権など)は、人間が生み出す文化所産や、現代社会を支える製品やサービスなどのビジネスを保護し活用を促しています。専門とする分野の研究を進めるにあたり、当該分野と知的財産権との関わりを理解し、知財情報にアクセスし分析・考察の上、活用できるスキルを身に付けることは、研究の一助となります。本講義では、これらの知的財産権とその情報へのアクセス、研究倫理と知的財産の関係について考え、特に著作権法の観点からみた研究倫理についても学びます。
授業の到達目標
専攻する分野に関連する知的財産権の法制度を理解し、これを活用しようという意欲を醸成する。
また、知財情報の検索スキルにより、専門分野に関連する知財情報を調査分析しパテントマップにまとめることができる。
著作権法と特許法の視座で研究倫理を考え、研究推進にあたって適切な判断ができる。
授業計画
【全体】
本講義では、知的財産権の概要を事例をもとに講述するとともに、実社会で行っている事例をもとに知財の観点から問題があるか(気づき)、法的に違法性があるか(見つける)、どのように対応したらよいか(見極める)など、知的財産の総合的な観点からの演習等を行います。また特許制度について詳しく解説すると共に、知財情報へのアクセスと調査・分析についても紹介し、受講者が行っている自身の研究テーマに関して知財情報の調査・分析を行います。論文情報だけでなく、知財情報を調べることは、受講者自身の大学院での研究活動にプラスになります。また研究倫理と知的財産の関係について考え、特に著作権法の観点からみた研究倫理について概説します。
項目
内容
授業時間外学習
備考
第1回
著作権法
著作物性と著作者
復習・小レポートと講義資料及び参考書籍の熟読(目安:2時間)
第2回
著作権法
著作権と例外
復習・小レポートと講義資料及び参考書籍の熟読(目安:2時間)
第3回
著作権と研究倫理
保護期間と研究倫理
復習・小レポートと講義資料及び参考書籍の熟読(目安:2時間)
第4回
産業財産権の全体像と特許制度の基礎
知的財産とは?/知財を取り巻く概況/発明・考案・意匠・商標/特許制度の目的/特許が取れる発明とは? 等
復習・小レポート
宿題レポート:○○を開発したと仮定し、特許を取得すべきか、開放すべきか、またその理由を答えよ。さらにオープン&クローズ戦略などを組み合わせ考えよ。
(目安:2時間)
第5回
特許出願書類と特許権の範囲・効力
特許と論文の関係性/請求項の書き方等
宿題レポート:特許と論文の関係性(共通点、異なる点)について整理せよ。等(目安:2時間)
第6回
知財情報へのアクセスとパテントマップの作成
特許、意匠、商標情報へのアクセスとその活かし方/音楽著作物、品種情報へのアクセスとその活かし方/パテントマップの作成とその分析・考察
復習・小レポート
宿題レポート:特許データベース等の検索により、適切な知財情報を得て、パテントマップを作成し、分析・考察する。(目安:2時間)
第7回
その他の知的財産
新品種保護、生物多様性条約(ABS、PIC、MAT)、バイオパイラシーについて。ビジネスや大学産学連携活動での実践的知財事例、現行法で保護されていない知的財産的性質を持つもの
復習・小レポートと講義資料及び参考書籍の熟読(目安:2時間)
第8回
総括と期末試験
総括と期末試験
試験と振り返り。知識を定着させる。宿題として、全体を振り返って小レポートを提出する。(学修時間の目安2時間以上)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: 10% C: 10% D: --%
成績評価法
授業内のレポート(小レポート)、課題の提出(ワークシート・宿題レポート)、学期末のテスト(CBT方式)で評価します。
授業内のレポート 35%、課題の提出 15%、学期末の筆記テスト 50%
教科書にかかわる情報
備考
授業内で配布する講義スライドやワークシート
参考書にかかわる情報
参考書
書名
たのしい著作権法 2019
ISBN
9784990393557
著者名
山口大学制作 ; 小川明子著
出版社
山口ティー・エル・オー
出版年
2018
参考書
書名
たのしい著作権法2020(※2019年版の別冊 2020年の法改正対応)
ISBN
9784990393588
著者名
山口大学制作・著作 ; 小川明子 [著]
出版社
山口ティー・エル・オー
出版年
2021
参考書
書名
たのしい著作権法2022 : [ネコ] でもわかる
ISBN
9784990393595
著者名
山口大学制作・著作
出版社
山口ティー・エル・オー
出版年
2022
備考
「たのしい著作権法」は山口TLOで販売しています(常盤キャンパス内)
https://www.tlo.sangaku.yamaguchi-u.ac.jp/liblary/
メッセージ
前半の1~3週で、著作権と研究倫理を学びます。倫理で語られる研究倫理を著作権の論理で見直すまたとない機会となります。
後半4~7週で、特許を中心とした産業財産権を学びます。皆さんがこれからなさる研究は、特許等で保護され、社会で活用されるべきものです。
本科目で、そうした研究者に必要な知識と意識を身に付けましょう。
キーワード
著作権 研究倫理 知的財産 特許 意匠 商標 植物新品種
持続可能な開発目標(SDGs)
(インフラ、産業化、イノベーション)強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
(不平等)各国内及び各国間の不平等を是正する。
(平和)持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する。
関連科目
博士前期・後期課程において、共通教育としての知財科目は本科目のみです。
その他、博士前期・後期課程向けに開設している知財関連のセミナー等としては次のとおりです(昨年度の例、今年度も開催予定)。
1 特許情報検索インストラクター養成講座
https://kenkyu.yamaguchi-u.ac.jp/chizai/?p=8471
2 知的財産セミナー(博士課程学生コース)(学内限定)
https://kenkyu.yamaguchi-u.ac.jp/chizai/?p=9669
履修条件
連絡先
ミルショド(1~3週) miru@yamaguchi-u.ac.jp
陳内 秀樹(4~8週) h-jinnai@yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
問い合わせの際、陳内、ミルショド2人にメールをお願いします。
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