タイトル

開講年度 開講学部等
2025 大学院人間社会科学研究科(修士課程)
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
後期 木5~6   10.0
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
2112000012 インクルーシブデザイン特論[Advanced Inclusive Design] 日本語 2
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
冨本 浩一郎[FUMOTO Koichiro]
担当教員[ローマ字表記]
冨本 浩一郎 [FUMOTO Koichiro]
特定科目区分   対象学生   対象年次  
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
本科目は、デザインの実践を通して、社会における課題発見と解決の応用力を身につけることを目的とする。インクルーシブデザインは、社会的な環境やサービスなどから排除された人々をデザインプロセスに取り込み、多様な当事者と共に課題を発見しながら解決策を創出することで社会的包摂を目指すデザインである。本科目では、入門的な位置付けの国際総合科学部開講科目「インクルーシブデザイン」を発展させ、当事者とともにデザインした成果の評価検証も含めた実践的なデザインプロジェクト形式で行う。
授業の到達目標
本講義は受講者が,デザインパートナーと「ともに」行う実践的なデザインプロジェクトを通して,インクルーシブデザインの特徴の理解および実践のための知識やスキルを習得することを目的とする(DP1)。具体的には,デザインパートナーとしてのユーザーとの恊働の中で,課題発見から解決策デザインまでのプロセス構築,デザインパートナーが持つ潜在的な情報を獲得するためのユーザーリサーチ手法,プロトタイピングとその評価に関する実践的スキルを養うことである(DP2,DP3)。
授業計画
【全体】
授業は実践的なデザンプロジェクトによって行う。授業の初期で内容の概説を行い、中盤以降で学外の協力者をデザインパートナーに、共に課題を発見しデザインするユーザー参加型のデザインプロジェクトを行い理解を深める。
デザインプロジェクトでは、グループに分かれて実際のデザインパートナーとともに課題発見から解決策をデザインする。
デザインはアイデアレベルにとどまらず、実現可能性を重視し、モックアップ以上のプロトタイプを制作する。
成果は関係者へのプレゼンテーションする。

授業では課された課題のレビューを中心に行うため、受講者はフィールドワークやプロトタイピングの作業については授業時間外に行うこととする。
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 インクルーシブデザイン概説 授業の全体像およびインクルーシブデザインの考え方についての説明 提示された課題と発表の準備(2時間)
第2回 インクルーシブデザイン事例分析 ① インクルーシブデザインの事例調査の発表とディスカッション 提示された課題と発表の準備(2時間)
第3回 インクルーシブデザイン事例分析 ② インクルーシブデザインの事例調査の発表とディスカッション 提示された課題と発表の準備(2時間)
第4回 インクルーシブデザイン演習導入 演習課題の説明/デザインパートナーの紹介やチームビルディング 提示された課題と発表の準備(2時間)
第5回 ユーザーリサーチ ① デザインパートナーとのフィールドワークで得られた気づきや課題の共有/デザインによる排除の理解 フィールドワークと発表の準備(4時間)
第6回 ユーザーリサーチ ② デザインパートナーとのフィールドワークで得られた気づきや課題の共有/多様性から学ぶ フィールドワークと発表の準備(4時間)
第7回 ユーザーリサーチ ③ デザインパートナーとのフィールドワークで得られた気づきや課題の共有/マルチプルシナリオ フィールドワークと発表の準備(4時間)
第8回 課題の分析・共有 解決すべき最重要課題の抽出 提示された課題と発表の準備(4時間)
第9回 ラピッドプロトタイピング ① 課題を視覚化する文脈的なプロトタイピング(動画制作) プロトタイプの制作と発表の準備(4時間)
第10回 ラピッドプロトタイピング ② 解決策のアイデアの創出とプロトタイピング(作りながら考える) プロトタイプの制作と発表の準備(4時間)
第11回 ユーザーレビュー、検証 創出したアイデアやプロトタイプについて、デザインパートナーによるレビューを行う。 プロトタイプの制作と発表の準備(4時間)
第12回 プロトタイピング ① デザインパートナーからのフィードバックをもとに、社会実装可能なデザインにまとめプロトタイプを作成する プロトタイプの制作と発表の準備(4時間)
第13回 プロトタイピング ② 前回のレビューに対するブラッシュアップ プロトタイプの制作と発表の準備(4時間)
第14回 プレゼンテーション デザインパートナーおよびステークホルダーに対してプレゼンテーションを行う。 プレゼンテーション準備(4時間)
第15回 総括 プレゼンテーション結果に基づいて、考案したデザインについてのディスカッション、評価を行う。その内容を含め、ポートフォリオにまとめる。 授業の振り返り(1時間)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: 25% B: 25% C: 25% D: 25%
成績評価法
評価は、授業態度(10%)、レポート(30%)、デザイン課題の提案・発表(60%)によって行う。欠席は減点とし、3回以上の欠席で欠格とする。
教科書にかかわる情報
備考
参考書にかかわる情報
参考書 書名 インクルーシブデザイン : 社会の課題を解決する参加型デザイン ISBN 9784761525699
著者名 ジュリア・カセム [ほか] 編著 ; 水野大二郎 [ほか] 著 出版社 学芸出版社 出版年 2014
参考書 書名 「インクルーシブデザイン」という発想 : 排除しないプロセスのデザイン ISBN 9784845913022
著者名 ジュリア・カセム著 ; ホートン・秋穂訳 出版社 フィルムアート社 出版年 2014
参考書 書名 ミスマッチ : 見えないユーザーを排除しない「インクルーシブ」なデザインへ ISBN 9784802511353
著者名 キャット・ホームズ著 ; 大野千鶴訳 出版社 ビー・エヌ・エヌ新社 出版年 2019
備考
メッセージ
キーワード
持続可能な開発目標(SDGs)

  • 貧困をなくそう
  • 飢餓をゼロに
  • すべての人に健康と福祉を
  • 質の高い教育をみんなに
  • ジェンダー平等を実現しよう
  • 安全な水とトイレをみんなに
  • エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 働きがいも経済成長も
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 人や国の不平等をなくそう
  • 住み続けられるまちづくりを
  • つくる責任つかう責任
  • 気候変動に具体的な対策を
  • 海の豊かさを守ろう
  • Life on land
  • パートナーシップで目標を達成しよう
  • パートナーシップで目標を達成しよう
(貧困)あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる。
(飢餓)飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。
(保健)あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。
(教育)すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。
(ジェンダー)ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う。
(水・衛生)すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。
(エネルギー)すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する。
(経済成長と雇用)包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する。
(インフラ、産業化、イノベーション)強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
(不平等)各国内及び各国間の不平等を是正する。
(持続可能な都市)包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する。
(持続可能な生産と消費)持続可能な生産消費形態を確保する。
(気候変動)気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる。
(海洋資源)持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する。
(陸上資源)陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する。
(平和)持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する。
(実施手段)持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する。
関連科目
インクルーシブデザイン(国際総合科学部 展開科目)
履修条件
人間中心デザイン、デザイン思考のプロセスに関する基礎的な知識を必要とする。
プロトタイピングを行うため、ものづくりや制作に関するスキルを必要とする。
連絡先
fumoto[at]yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
特に設定なし(事前にメールでアポとってください)

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