開講年度
開講学部等
2025
大学院医学系研究科(博士前期)
開講学期
曜日時限
授業形態
AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
通年
集中
10.0
時間割番号
科目名[英文名]
使用言語
単位数
3153600240
がん看護学実習Ⅲ
日本語
2
担当教員(責任)[ローマ字表記]
メディア授業
齊田 菜穂子[SAITA Nahoko]
ー
担当教員[ローマ字表記]
齊田 菜穂子 [SAITA Nahoko], 紙谷 恵子
特定科目区分
対象学生
対象年次
ディプロマ・ポリシーに関わる項目
カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
メディア授業
×
メディア授業とは,メディアを利用して遠隔方式により実施する授業の授業時数が,総授業時数の半数を超える授業をいいます。
メディア授業により取得した単位は,卒業要件として修得すべき単位のうち60単位を超えないものとされています。
授業の目的と概要
緩和ケアにおける終末期がん患者を対象に、緩和医療を専門とする医師および看護師の指導のもと、がん患者の緩和医療に関わる臨床判断や身体管理を学び、高度実践看護師(がん看護専門看護師)として終末期がん患者への看護援助を行うために必要となるケア(care)とキュア(cure)を統合させた高度な臨床判断能力や身体管理の方法を学び、看護計画に反映させ、直接ケアを行う能力を養う。また、がん診療連携拠点病院における退院調整活動の実際や地域で生活をするがん患者や家族の療養生活の実際を通して、退院調整と地域で暮らすがん患者や家族の療養生活を支援する仕組みや方法、活用できる資源について理解を深め、地域医療や地域連携における専門看護師の役割を探求する。
授業の到達目標
1)終末期がん患者の疾患の診断や治療を説明することができる。
2)指導医のもと、緩和医療に関するさまざまな臨床判断の実際を学び、終末期がん患者の身体状況をアセスメントし、問題を抽出することができる。
3)指導医のもと、終末期がん患者の疾患や治療による身体管理の実際を学び、高度な臨床判断能力を習得する。
4)がん緩和医療を受ける入院患者、在宅患者の治療・療養過程全般を理解し、ケア(care)とキュア(cure)を統合した高度看護実践を提供できる能力を習得する。
5)がん患者の緩和医療遂行に必要な看護援助と、高度実践看護師(がん看護専門看護師)の役割を学ぶ。
6)がん診療連携拠点病院の診療連携室において実施されるがん患者とその家族に対する退院調整活動を理解することができる。
7)退院調整活動の実際から、在宅医療への移行に必要な教育・支援および社会資源の活用を考えることができる。
8)退院調整活動に活用する社会資源を理解し、がん患者の医療施設から地域への円滑な移行を行う上での課題について理解することができる。
9)患者が退院後、地域における終末期がん患者やその家族の療養と生活を支えるケアの実際を体験し、地域医療や地域連携のあり方、専門看護師の役割を探求することができる。
授業計画
【全体】
<臨床判断、身体管理に関する実習>
1)実習生は実習に向けて十分な学習を行い、実習目標をもとに指導者の助言を受けながら、実習計画を立てる。
2)終末期緩和ケアを実施している施設で、終末期がん医療を受ける患者を指導医から1~2名紹介してもらい、患者を受け持ち、指導医とともにフィジカルアセスメントを行う。実習生は緩和ケアチームの回診や指導医ががん緩和医療を受ける患者へ行う診察を見学し、指導医とともにフィジカルアセスメントを行い、疼痛、終末期症状、全身状態の診断技術を学ぶ。
3)身体診察所見、検査、医療処置について判断した内容について、指導医の指導を受けながら実習をすすめる。実習生が行った臨床判断について指導医や指導看護師から指導を受ける。実習生は指導医や指導看護師が行う臨床判断を随時口頭で説明を受ける。また、実習生自身が行った臨床判断をその都度口頭で指導医や専門看護師等へ伝え、口頭でフィードバックを受ける。
4)終末期がん患者の症状緩和のために必要な看護援助の判断について、指導看護師の指導を受けながら実習をすすめる。
5)実習は日々の実習記録をまとめ、次回の実習日に、指導医と指導看護師、教員へ実習記録を提出し、口頭または文章で指導を受ける。
6)実習生はケースカンファレンスなど他職種カンファレンスに参加し、討議を行う。
7)実習生は、受け持ち患者の事例報告をカンファレンスでプレゼンテーションで実施し、医師及び看護の視点から指導・助言を受ける。 <地域連携に関する実習>
1)実習生は、診療連携室の指導看護師から受け持ち患者を1~2名紹介してもらい、地域連携の実際を知るために、指導看護師とともに、受け持ち患者とその家族に対する退院調整活動に参加する。
2)実習生は、退院前カンファレンスに参加し、受け持ち看護師が患者とその家族に必要なケアについての意見を述べられるよう支援し、在宅移行が円滑に進むよう地域連携室のスタッフと連携する。
3)実習生は、在宅支援の実際が理解できるよう、連携をとる訪問看護スタッフなどから、活動内容について話を聞く。
4)実習生は、実習期間中にカンファレンスを設定し、地域連携の必要性と実際、今後の課題についてプレゼンテーションを実施し、診療連携室スタッフ、指導看護師、担当教員からの助言を受ける。
項目
内容
授業時間外学習
備考
第1回
1)終末期がん患者の疾患の診断や治療を説明することができる。
(1)がん性疼痛症状を理解し、症状管理の決定を医師とともに行う。
・がん性疼痛のメカニズムを理解する。
・がん疼痛などの症状アセスメントを行う。
事前に学習する。学修の所要時間1時間
第2回
2)指導医のもと、緩和医療に関するさまざまな臨床判断の実際を学び、終末期がん患者の身体状況をアセスメントし、問題を抽出することができる。
・鎮痛薬与薬の基本原則を理解し、除痛効果判定に基づく至適投与量の判断を医師とともに行う。
鎮痛薬与薬について準備学習を行う。学修の所要時間1時間
第3回
3)指導医のもと、終末期がん患者の疾患や治療による身体管理の実際を学び、高度な臨床判断能力を習得する。
・疼痛の強さや副作用に応じたオピオイドおよび非オピオイド、鎮痛補助薬の選択と投与量・用法調整を医師とともに行う。
疼痛の強さや副作用に応じたオピオイドおよび非オピオイド、鎮痛補助薬の選択と投与量・用法調整について準備学習を行う。学修の所要時間1時間
第4回
3)指導医のもと、終末期がん患者の疾患や治療による身体管理の実際を学び、高度な臨床判断能力を習得する。
・オピオイドスイッチングの判断を、医師とともに行う。
・治療薬の副作用マネジメントのための薬物の決定(制吐剤、緩下剤など)を、医師とともに行う。
オピオイドスイッチングの判断、副作用マネジメントについて準備学習を行う。学修の所要時間1時間
第5回
3)指導医のもと、終末期がん患者の疾患や治療による身体管理の実際を学び、高度な臨床判断能力を習得する。
・消化器症状のアセスメントおよび症状緩和に必要な薬物の決定
消化器症状のアセスメントおよび症状緩和について準備学習を行う。学修の所要時間1時間
第6回
3)指導医のもと、終末期がん患者の疾患や治療による身体管理の実際を学び、高度な臨床判断能力を習得する。
・呼吸器症状のアセスメントおよび症状緩和に必要な薬物・酸素療法時の酸素投与量の決定
呼吸器症状のアセスメントおよび症状緩和について準備学習を行う。学修の所要時間1時間
第7回
3)指導医のもと、終末期がん患者の疾患や治療による身体管理の実際を学び、高度な臨床判断能力を習得する。
・精神状態に応じた薬剤の選定
精神状態に応じた薬剤の選定について準備学習を行う。学修の所要時間1時間
第8回
4)がん緩和医療を受ける入院患者、在宅患者の治療・療養過程全般を理解し、ケア(care)とキュア(cure)を統合した高度看護実践を提供できる能力を習得する。
・在宅における終末期がん患者への症状管理を医師、訪問看護師とともに行うことができる。
在宅医療及び看護について事前に学習する。学修の所要時間1時間
第9回
4)がん緩和医療を受ける入院患者、在宅患者の治療・療養過程全般を理解し、ケア(care)とキュア(cure)を統合した高度看護実践を提供できる能力を習得する。
・在宅終末期医療を受ける患者への対応を医師、訪問看護師とともに行うことができる。
在宅医療及び看護について事前に学習する。学修の所要時間1時間
第10回
5)がん患者の緩和医療遂行に必要な看護援助と、高度実践看護師(がん看護専門看護師)の役割を学ぶ。
・在宅における終末期がん患者の包括的アセスメント、ケアの評価を行い、看護ケアを考察することができる。
終末期がん患者の包括的アセスメント、ケアの評価について準備学習を行う。学修の所要時間1時間
第11回
6)がん診療連携拠点病院の診療連携室において実施されるがん患者とその家族に対する退院調整活動を理解することができる。
・診療連携室で退院調整が必要な患者に対して、関連部署との連携、調整を指導者とともに行うことができる。
病院内の退院指導等を行っている診療連携室について事前学習しておく。学修の所要時間1時間
第12回
6)がん診療連携拠点病院の診療連携室において実施されるがん患者とその家族に対する退院調整活動を理解することができる。
・診療連携室で実施されるがん患者とその家族に対する退院調整活動を説明することができる。
院調整活動について準備学習を行う。学修の所要時間1時間
第13回
7)退院調整活動の実際から、在宅医療への移行に必要な教育・支援および社会資源の活用を考えることができる。
・退院調整に関して、がん患者と家族がどのような問題を抱えているか述べることができる。
退院調整に関して、がん患者と家族がどのような問題について準備学習を行う。学修の所要時間1時間
第14回
8)退院調整活動に活用する社会資源を理解し、がん患者の医療施設から地域への円滑な移行を行う上での課題について理解することができる。
・在宅医療への移行に必要な教育・支援および社会資源の活用を述べることができる。
宅医療への移行に必要な教育・支援および社会資源の活用について準備学習を行う。学修の所要時間1時間
第15回
9)患者が退院後、地域における終末期がん患者やその家族の療養と生活を支えるケアの実際を体験し、地域医療や地域連携のあり方、専門看護師の役割を探求することができる。
・診療連携室で退院調整が必要な患者に対して、関連部署との連携、調整を指導者とともに行うことができる。
関連部署との連携、調整について準備学習を行う。学修の所要時間1時間
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: 5% C: 75% D: 20%
成績評価法
毎回の実施記録と日々の実習参加(態度を含む)40%、プレゼンテーション 30%、最終記録 30%
教科書にかかわる情報
備考
参考書にかかわる情報
備考
メッセージ
この科目は、がん看護専門看護師コースの学生のみ受講できる科目です。
キーワード
終末期、緩和ケア、緩和医療に関わる臨床判断と身体管理、退院調整活動、地域医療、地域連携
持続可能な開発目標(SDGs)
(保健)あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。
(教育)すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。
関連科目
がん看護理論特論、がん看護援助特論、がん緩和ケア学特論Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、がん病態生理学特論
履修条件
この科目はがん看護専門看護師コースの学生のみ受講できる科目です。
連絡先
齊田 菜穂子:22-2855 naho[at]yamaguchi-u.ac.jp
紙谷 恵子 :22-2813 kamitani[at]yamaguchi-u.ac.jp
※[at]の部分を@に書き換えメールしてください。
オフィスアワー
平日、研究室に在否の確認をし、訪室してください。
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