タイトル

開講年度 開講学部等
2025 大学院創成科学研究科(博士前期)
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
通年集中 集中 講義 10.0
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
3243020570 海底地質リスク特論 日本語 2
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
川村 喜一郎[KAWAMURA Kiichiroh]
担当教員[ローマ字表記]
川村 喜一郎 [KAWAMURA Kiichiroh], 岩谷 北斗 [IWATANI Hokuto], Christopher F Elders
特定科目区分   対象学生   対象年次 1~2
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
日本は周囲を海に囲まれており、洋上風力発電事業や原子力発電事業、さらにはインターネットで重要な光ケーブルシステムなどは、沿岸から深海での海底ジオハザードの脅威にさらされている。このリスクを軽減するためにも、海底ジオハザードの実態や規模、頻度、分布などを明らかにして、リスク評価につなげなければならない。ここでは国内外の外部専門家を交えて講義を進め、海底地質リスクの概要やその評価方法について、受講者全員で考える。なお、この講義は、日本学術会議「持続可能な開発目標達成のための洋上風力発電開発検討小委員会」国際地質科学連合「海底ジオハザードタスクグループ」と連携して進められ、国内外の最新のトピックを取り扱う。海洋実習は、海上保安庁第七管区海上保安本部の全面的な協力を得て実施される。

この科目は,海洋および陸上の地質調査の実務経験のある技術士(応用理学)を有する教員が担当しており、その経験に基づいた社会ニーズに即した講義を展開する。

なお、この講義は、安全管理上、履修学生の人数制限を設け、抽選することがある。また、海上保安庁の施設を使用する関係で、履修学生は日本国籍に限られる。
授業の到達目標
海洋ジオハザードの概要を説明することができ、そのリスク評価を考えることができる。
世界の沿岸開発における課題を理解し、その課題に対して日本としてできることを考えることができる。
海洋調査において、安全で、なおかつ、効率的な最適方法を自ら考え、提案することができる。
(DP1,2,3-2)
授業計画
【全体】
この講義は、上記を達成させるために、主として以下の3項目からなっている。
1)日本国内から実際に洋上風力発電事業に携わっている現場の地質技術者を対面もしくはオンラインで招いて、喫緊の日本における沿岸開発の課題を理解する。
2)海外から海洋ジオハザード研究に携わっている研究者をオンラインで招いて、世界各国での海洋地質に関する諸問題を理解する。
3)海洋調査船を用いて、海洋実習を行い、実地での安全面を含めた海洋調査について理解する。

今年度は、カーティン大学のクリス・エルダース名誉教授によるオンライン講義(英語)が含まれている。この方は、オックスフォード大学で学位を取得し、シェル石油やロンドン大学の教授を経て、現職オーストラリアのパース大学で教授、名誉教授となっている方です。英語はゆっくりお話ししてくださいとお願いしています。

Chris Elders completed his BSc at the University of Oxford in 1983, and PhD, also at Oxford in 1987. After that he spent four years working for Shell in the Netherlands as an Exploration Geologist working on acreage in the Southern North Sea. In 1993 he moved to Royal Holloway, part of the University of London, where he ran a successful masters programme in Petroleum Geoscience. In 2013 he joined Curtin University as Professor of Petroleum Geoscience. and is now a semi-retired Emeritus Professor.
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 ガイダンスと世界の海洋ジオハザード 講義の進め方の説明と海洋ジオハザードの概要の説明 この講義に関する予習を4時間以上実施すること。
第2回 世界での海洋ジオハザードの課題1
海外から非常勤講師を招いて、世界での海洋ジオハザードについて解説してもらう(英語;オンライン講義)
Plate tectonics and geohazards – an introduction and a reminder.
この講義に関する予習を4時間以上実施すること。
第3回 世界での海洋ジオハザードの課題2
海外から非常勤講師を招いて、世界での海洋ジオハザードについて解説してもらう(英語;オンライン講義)
Geological processes on passive continental margins: resources and potential geological hazards.
この講義に関する予習を4時間以上実施すること。
第4回 世界での海洋ジオハザードの課題3 海外から非常勤講師を招いて、世界での海洋ジオハザードについて解説してもらう(英語;オンライン講義)
Submarine megaslides – Namiba & Niger Delta case studies.
この講義に関する予習を4時間以上実施すること。
第5回 世界での海洋ジオハザードの課題4
海外から非常勤講師を招いて、世界での海洋ジオハザードについて解説してもらう(英語;オンライン講義)
Mass Transport complexes – NW Shelf Australia case study.
この講義に関する予習を4時間以上実施すること。
第6回 世界での海洋ジオハザードの課題5
海外から非常勤講師を招いて、世界での海洋ジオハザードについて解説してもらう(英語;オンライン講義)
Gas hydrates; Fluid escape structures – pock marks, polygonal faults.
この講義に関する予習を4時間以上実施すること。
第7回 世界での海洋ジオハザードの課題6
海外から非常勤講師を招いて、世界での海洋ジオハザードについて解説してもらう(英語)
Sea floor currents and contourite deposits.
この講義に関する予習を4時間以上実施すること。
第8回 世界での海洋ジオハザードのまとめ 今までの講義を振り返って、おさらいをする。
この講義に関する予習を4時間以上実施すること。
第9回 海洋実習に向けてのガイダンス 後半の進め方 この講義に関する予習を4時間以上実施すること。
第10回 日本における洋上風力発電事業の海底地質の精査1 地質学の基本のクリノメータを用いた地質調査の学内実習 この講義に関する予習を4時間以上実施すること。 講義で使用するクリノメータは以下から確認できます。https://ds0n.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~kawaken/index.html
第11回 日本における洋上風力発電事業の海底地質の精査2 音波探査記録の解析法とその実践的な実習
この講義に関する予習を4時間以上実施すること。
第12回 日本における海底地質調査の概要3 海洋ボーリングの調査法とその観察法についての実習 この講義に関する予習を4時間以上実施すること。 講義で使用する粒度表は以下から確認できます。https://ds0n.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~kawaken/index.html
第13回 海洋実習1 キワラビーチでの沿岸の堆積構造の観察(ただし、オンライン講義に変更されることもある) この講義に関する予習を4時間以上実施すること。
第14回 海洋実習2 第七管区海上保安本部(門司)で実施(ただし、山口大学での海底堆積物観察に変更されることもある) この講義に関する予習を4時間以上実施すること。
第15回 海洋実習3 第七管区海上保安本部(門司)で実施(ただし、山口大学での海底堆積物観察に変更されることもある) この講義に関する予習を4時間以上実施すること。
第16回 海洋実習のまとめ 今までのおさらいとふりかえり。また、海洋実習で採取されたものがあれば、この時間で解析もしくは観察する。 この講義に関する予習を4時間以上実施すること。
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: 20% B: 20% C: 50% D: 10%
成績評価法
レポート100%
教科書にかかわる情報
備考
教科書を用いることはないが、オンラインテキストを使用する。それらは学内サイトからダウンロードできる。講義で使用するクリノメータと粒度表とは以下から確認できる。https://ds0n.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~kawaken/index.html
参考書にかかわる情報
備考
メッセージ
キーワード
日本学術会議、洋上風力発電、海底地質リスク評価研究会、基礎地盤コンサルタンツ株式会社、大和探査技術株式会社、興亜開発株式会社、音波探査、音響測深、洋上ボーリング調査、海底地盤、海上保安庁、海洋実習、第七管区海上保安本部、海洋調査船、国際地質科学連合・海底ジオハザード・タスクグループ
持続可能な開発目標(SDGs)

  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 海の豊かさを守ろう
  • パートナーシップで目標を達成しよう
(インフラ、産業化、イノベーション)強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
(海洋資源)持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する。
(実施手段)持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する。
関連科目
地球変動学II、地史学、地球データサイエンス技術演習(地球科学実験III)
履修条件
連絡先
川村喜一郎 理学部本館 4階446号室 川村喜一郎 kiichiro[at]yamaguchi-u.ac.jp
岩谷北斗(理学部本館 3階 345号室,hokuto_i[at]yamaguchi-u.ac.jp)

[at]の部分を@に書き換えてメールしてください。もしくは就学支援システムのメッセージで連絡してください。
オフィスアワー
基本的に8:30-17:30は研究室にいます。

ただし出張や学内会議がある場合があるので、訪問の際にはあらかじめ訪問日時を連絡先にメールかメッセージをください。不都合な場合もあるので、こちらから返信します。それに従ってください。

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