開講年度
開講学部等
2026
大学院創成科学研究科(博士前期)
開講学期
曜日時限
授業形態
AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期前半
木5~8
10.0
時間割番号
科目名[英文名]
使用言語
単位数
3261090620
企業経営と財務(常盤)[Corporate Management and Finance]
日本語
2
担当教員(責任)[ローマ字表記]
メディア授業
大島 直樹[OHSHIMA Naoki]
ー
担当教員[ローマ字表記]
大島 直樹 [OHSHIMA Naoki]
特定科目区分
対象学生
常盤
対象年次
ディプロマ・ポリシーに関わる項目
カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
メディア授業
×
メディア授業とは,メディアを利用して遠隔方式により実施する授業の授業時数が,総授業時数の半数を超える授業をいいます。
メディア授業により取得した単位は,卒業要件として修得すべき単位のうち60単位を超えないものとされています。
授業の目的と概要
【授業の目的】
本授業の目的は、企業経営に不可欠な「財務3表(貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書)」を読み、作成し、経営判断に活用できる力を養うことである。会計の知識は、起業・就職・投資など、あらゆるビジネスの場面で求められる基礎教養である。本授業では、架空のD2Cスタートアップ「Re:Loop(リループ)社」の創業から初年度決算までのストーリーを追体験しながら、抽象的な会計概念を具体的なビジネスの文脈で理解する。さらに、生成AIを活用したプログラミング手法「バイブコーディング」を取り入れ、財務データを自動処理するWebアプリケーションを自ら構築する実習を行う。会計リテラシーとAI活用スキルの両方を同時に身につけることが、本授業の最大の特徴である。
【授業の概要】
授業は全15回で構成され、4つの部に分かれている。第0部「準備」では財務3表の構造と開発環境を整え、第1部「起業と資金調達」で貸借対照表の基本を学ぶ。第2部「販売活動の開始」では損益計算書の仕組みを理解し、第3部「成長と資金繰りの危機」で売掛金・買掛金や黒字倒産の問題を通じてキャッシュフローの重要性を体感する。第4部「決算と経営分析」では減価償却・棚卸・法人税の決算処理を経て、経営分析指標によるシミュレーションまでを行う。各回は「基礎知識→ストーリー→バイブコーディング実習→演習問題→ディスカッション」の流れで進行し、理論と実践を交互に繰り返すことで、確実な知識の定着を図る。
授業の到達目標
・企業経営・財務に関する高度な専門知識の修得
企業経営と財務管理の基礎理論および最新の実務動向を体系的に理解する。
財務諸表分析、資本コスト、企業価値評価、資本政策など、経営戦略と密接に関連する財務領域を学習し、複雑化する経営環境に対応できる専門的知識を習得する。
・学際的・総合的思考力を活かした経営課題の分析能力の向上
企業経営を取り巻く多様な要因(市場環境、技術革新、社会・法規制など)を総合的に捉え、経営戦略と財務戦略を連動させた課題分析ができる力を養う。
工学・経営学・社会科学など異なる領域の知見を組み合わせ、企業経営の意思決定におけるリスク評価やシミュレーション分析などを実践的に行う。
・社会的要請やイノベーション創出に即した財務戦略の立案力の育成
SDGsやESG投資などの社会的潮流、ステークホルダーの期待に応える経営戦略・財務戦略を立案できる力を培う。
企業の成長や新規事業創出に必要な資金調達や投資戦略、M&Aなどの意思決定プロセスを学び、社会・産業界の変化やニーズに対応するイノベーションを財務的視点からもサポートできる能力を身につける。
授業計画
【全体】
本授業は、架空のD2Cスタートアップ「Re:Loop(リループ)社」の創業から初年度決算までのストーリーを全8回で追体験しながら、財務3表(貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書)の作成・読解・活用力を身につける。各回は「基礎知識の講義→ストーリーに沿った仕訳と財務3表の変化確認→演習・ディスカッション」の流れで進行する。並行して、生成AIを活用したプログラミング手法「バイブコーディング」により財務3表Webアプリケーションを段階的に構築する実習を授業時間外学習の中心に据え、理論と実践の両輪で会計リテラシーとAI活用スキルを養成する。
項目
内容
授業時間外学習
備考
第1回
財務3表の全体像とバイブコーディング入門
財務3表の構造と開発環境の構築
財務3表(BS・PL・CS)の役割と相互の関係を学ぶ。BSは「ある時点の持ち物リスト(ストック)」、PLは「一定期間の成績表(フロー)」、CSは「現金の通帳(キャッシュの動き)」であることを理解し、利益剰余金と現金残高を通じた3表のつながりを把握する。後半では、生成AIを用いたプログラミング手法「バイブコーディング」の概要を説明し、開発環境のセットアップを行う。ディスカッション:「会計がわからなくても経営はできるか?」(SCENE 0)
教材の序章および第0部を通読し、財務3表の構造を復習すること。バイブコーディングで財務3表テンプレートWebアプリを完成させ、動作確認を行うこと。確認テストE-0に取り組むこと(目安8時間)。
第2回
起業と資金調達 ─ 貸借対照表を理解する
会社設立・資本金・前受金・固定資産取得
リループ社の創業ストーリーに沿って、資本金500万円の払込み(SCENE 1)、クラウドファンディングによる前受金300万円の受領(SCENE 2)、金型300万円の固定資産取得(SCENE 3)を学ぶ。資本金と借入金の違い(返済義務の有無)、前受金が負債に分類される理由(発生主義会計)、固定資産の取得が「費用」ではなく「資産の形の変化」であることを理解する。各取引の仕訳を行い、BSの変化を段階的に確認する。(SCENE 1〜3)
教材の第1部を通読し、演習問題E-1〜E-3に取り組むこと。バイブコーディングで仕訳入力フォームとBS自動更新機能を構築すること(目安8時間)。
第3回
販売活動の開始 ─ 損益計算書を理解する
費用と資産の区別・仕入・売上認識・前受金の取崩し
事務所の敷金(資産)と家賃(費用)の違いから「費用と資産の区別」を学ぶ(SCENE 4)。広告宣伝費の支出とPLの構造(売上総利益→営業利益→経常利益→当期純利益)を理解する(SCENE 5)。商品200万円の仕入れ(SCENE 6)およびクラウドファンディングのリターン発送に伴う前受金300万円の売上への振替(SCENE 7)を仕訳し、「売上が立っても現金が増えないケース」を体験する。PLの動きを中心に財務3表の変化を確認する。(SCENE 4〜7)
教材の第2部前半を通読し、演習問題E-4〜E-7に取り組むこと。バイブコーディングでPL自動更新機能と前受金取崩し機能を追加すること(目安8時間)。
第4回
売上の多様化と信用取引 ─ 「利益≠現金」の入口
EC売上・人件費・売掛金・与信管理
EC直販による現金売上150万円と給料80万円の支払いを通じて、PLの黒字転換を確認する(SCENE 8)。続いて、大手量販店への卸売り(売掛金1,000万円)を取り上げ、信用取引の仕組みと売掛金の意味を学ぶ(SCENE 9)。「現金売上」「前受金取崩し」「掛け売り」の3つの売上パターンを比較し、売上認識と現金回収のタイミングのズレが生じる構造を理解する。ディスカッション:「大手量販店の取引条件は、なぜ中小企業に不利なのか?」(SCENE 8〜9)
教材の第2部後半〜第3部前半を通読し、第2部まとめ演習および演習問題E-8〜E-9に取り組むこと。バイブコーディングで売掛金・買掛金管理機能を追加すること(目安8時間)。
第5回
黒字倒産の危機 ─ キャッシュフローの重要性
買掛金・運転資金・黒字倒産・支払サイト
仕入先への買掛金600万円の発生(SCENE 10)とキャッシュ残高の急減を確認し、「利益は出ているのに現金がない」という黒字倒産の構造を体験する(SCENE 11)。売掛金の回収サイトと買掛金の支払サイトの差が運転資金を圧迫する仕組みを、具体的な数値で検証する。キャッシュフロー計算書の3区分(営業・投資・財務活動)の意味を学ぶ。ディスカッション:「あなたがカイだったら、どうやってこの危機を乗り越えるか?」(SCENE 10〜11)
教材の第3部中盤を通読し、演習問題E-10〜E-11に取り組むこと。バイブコーディングでキャッシュ残高アラート機能と支払サイトシミュレーターを構築すること(目安8時間)。
第6回
資金調達と利息 ─ キャッシュフロー計算書の完成
銀行借入・利息・売掛金回収・買掛金支払い・CS完成
資金繰り危機を乗り越えるための銀行借入800万円(SCENE 12)を取り上げ、借入金の利息がPL(支払利息)とCS(財務活動CF)に与える影響を学ぶ。売掛金1,000万円の回収と買掛金600万円・借入金200万円の返済(SCENE 13)を仕訳し、営業活動・投資活動・財務活動の3区分でCSを完成させる。第3部の総合演習として、直接法と間接法によるキャッシュフロー計算書を作成する。ディスカッション:「財務3表の中で、経営者が最も重視すべきはどれか?」(SCENE 12〜13)
教材の第3部後半を通読し、第3部まとめ演習および演習問題E-12〜E-13に取り組むこと。バイブコーディングで借入金管理機能とCS自動生成機能を追加すること(目安8時間)。
第7回
決算処理 ─ 財務3表の確定
減価償却・期末棚卸・売上原価確定・法人税・当期純利益
初年度の決算整理仕訳3つを一気に学ぶ。まず、金型300万円の減価償却費50万円を計上し、「非資金費用」の概念と間接法CSでの足し戻しを理解する(SCENE 14)。次に、期末棚卸により在庫100万円を確認し、売上原価の公式(期首棚卸高+当期仕入高−期末棚卸高)で正しい売上原価700万円を確定する(SCENE 15)。最後に、税引前利益500万円に対する法人税等150万円を計上し、当期純利益350万円を算出する(SCENE 16)。SCENE 1〜16の全取引を通しで反映した最終BS・PL・CSを完成させる。ディスカッション:「在庫を多めに計上すれば利益が増える──これは許されるか?」(SCENE 14〜16)
教材の第4部前半を通読し、演習問題E-14〜E-16(最終財務3表完成問題を含む)に取り組むこと。バイブコーディングで決算処理自動化機能と法人税計算・PDF出力機能を実装すること(目安8時間)。
第8回
経営分析とシミュレーション ─ 数字で未来を語る
経営指標・What-if分析・ダッシュボード・総合ディスカッション
完成した財務3表をもとに、ROE(自己資本利益率)、流動比率、自己資本比率、売上総利益率、営業利益率などの経営分析指標を計算し、リループ社の強みと課題を分析する。続いて、3つのシナリオ(広告費2倍・回収サイト短縮・値上げ15%)を設定したWhat-ifシミュレーションにより、前提条件の変化が財務3表に与える影響を検証する。バイブコーディングで構築したダッシュボードを用いて分析結果を発表し、「もしあなたがVCの投資家なら、Re:Loopに出資するか?」を議論する。最終ディスカッション:「財務3表を学んで、あなたの世界の見え方は変わったか?」(SCENE 17)
教材の第4部後半および巻末資料を通読し、第4部まとめ演習(経営分析レポート作成)に取り組むこと。バイブコーディングでWhat-ifシミュレーション・ダッシュボードを完成させ、最終発表の準備を行うこと(目安8時間)。
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: 20% C: 80% D: --%
成績評価法
成績は、各回の授業後に実施するオンラインアサイメント(全8回)を中心に評価する。各アサイメントは「知識の正確性」「応用・計算力」「思考・考察力」の3観点で採点し、各観点4点満点、1回あたり12点、全8回で96点満点とする。加えて、第8回の経営分析レポート(What-ifシミュレーションに基づく総合課題)の完成度を4点満点で加点し、総合100点満点で評価する。アサイメントでは、財務3表の基礎知識の正確な理解、仕訳や経営指標の計算能力に加え、財務データを根拠とした論理的な考察力を重視する。成績の目安はS(90点以上)、A(80〜89点)、B(70〜79点)、C(60〜69点)、D(59点以下:不合格)とする。なお、全8回のアサイメントのうち6回以上の提出を成績評価の前提条件とし、未提出回は0点として扱う。
ルーブリック等の評価基準
ファイル名
備考
ルーブリック等の評価基準
成績評価ルーブリック_企業経営と財務_令和8年度.pdf
(注)ルーブリックとは、評価水準である「尺度」と、尺度を満たした場合の「特徴の記述」で構成される評価指標のことを言います。
教科書にかかわる情報
備考
講義資料は、授業に合わせて修学支援システムで配布する。
参考書にかかわる情報
備考
メッセージ
キーワード
持続可能な開発目標(SDGs)
(教育)すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。
(経済成長と雇用)包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する。
(インフラ、産業化、イノベーション)強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
関連科目
研究開発戦略論
履修条件
連絡先
大学院技術経営研究科
大島直樹
WhatsApp +81-(0)90-1187-2519
オフィスアワー
毎週水曜日
午前10時~午後4時まで
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