タイトル

開講年度 開講学部等
2025 大学院創成科学研究科(博士前期)
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期 火3~4   1.0
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
3261420620 ナノ電子デバイス特論[Advanced Nanoelectronics] 日本語 2
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
家永 紘一郎[IENAGA Koichiro]
担当教員[ローマ字表記]
家永 紘一郎 [IENAGA Koichiro]
特定科目区分   対象学生   対象年次  
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
現行の電子デバイスは既にナノスケールまで微細化が進んでおり、将来的にはナノスケールの系に特有の量子効果を活用した ナノ量子デバイス の実用化が期待される。本講義では以下について学ぶ。
①固体中の電気伝導現象を理解するために必要な量子論
②固体をナノスケールまで微細化した場合に生じる量子伝導現象
③ナノ量子デバイスの動作原理とナノ構造加工技術
④最先端の基礎研究の動向とナノ物性計測技術
授業の到達目標
現行のナノ電子デバイスの動作原理と問題点を理解し、新しいナノ電子デバイスを開発するための高度な専門知識を身につけるために、以下を行う。1.固体物性論の中で特にマクロ電気伝導現象に関する知識を深め、その後ナノ構造に特有の量子伝導現象について学び、両者の違いを理解する。2. ナノ構造作製技術について学び、量子伝導現象を利用したデバイス応用の原理と課題について理解する。
授業計画
【全体】
まず、固体中の電気伝導現象を理解するために必要な量子論について、量子力学や電子物性学の復習を含めて解説する。次に、ナノ構造に特有の電気伝導現象(量子伝導現象)について解説し、ナノ量子デバイスの動作原理と加工技術についても解説する。最後に、最先端の基礎研究で用いられているナノ物性計測技術について解説する。
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 イントロダクション:
ナノデバイスとは
電子の粒子性と波動性
ナノデバイスの必要性と、電子の粒子性と波動性について学ぶ 予習・復習(学修時間の目安:4時間以上)
第2回 金属の自由電子論
量子論①
ドルーデモデルを用いた電気伝導の基礎 と シュレーディンガー方程式 について復習する。 予習・復習(学修時間の目安:4時間以上)
第3回 量子論② 量子閉じ込め効果とフェルミ分布(量子統計) について学ぶ。 予習・復習(学修時間の目安:4時間以上)
第4回 バンド理論① バンド理論の導入によって修正されたドルーデモデルについて学ぶ。 予習・復習(学修時間の目安:4時間以上)
第5回 バンド理論② バンドの形成について、弱束縛近似の観点から学ぶ。 予習・復習(学修時間の目安:4時間以上)
第6回 バンド理論③ バンドの形成について、強束縛近似の観点から学ぶ。 予習・復習(学修時間の目安:4時間以上)
第7回 量子論③ 量子トンネル効果について学ぶ。 予習・復習(学修時間の目安:4時間以上) 翌週に、量子トンネル効果を用いた現行のデバイスについて調べ、プレゼン発表を行う。
第8回 代表的なナノ伝導体 2, 1, 0次元形状の伝導体について学ぶ。金属薄膜・ナノワイヤ・ナノ粒子、半導体2次元電子ガス、単分子(フラーレン、ナノチューブ)など。 予習・復習(学修時間の目安:4時間以上)
第9回 量子伝導現象① 伝導度の量子化 と バリスティック伝導 について学ぶ。 予習・復習(学修時間の目安:4時間以上)
第10回 量子伝導現象② 量子干渉性と局在効果について学ぶ。 予習・復習(学修時間の目安:4時間以上)
第11回 量子伝導現象③ 量子ホール効果について学ぶ。 予習・復習(学修時間の目安:4時間以上)
第12回 トンネル接合と単一電子トンネル トンネル接合と単一電子トンネルについて学び、古典ドット(単電子トランジスター)の動作について理解する。 予習・復習(学修時間の目安:4時間以上)
第13回 量子ドット 量子ドットについて学び、量子ビットの動作について理解する。 予習・復習(学修時間の目安:4時間以上)
第14回 ナノ加工技術とナノ物性計測技術 ナノ加工技術とナノ物性計測技術(走査プローブ顕微鏡など)について学ぶ。 予習・復習(学修時間の目安:4時間以上)
第15回 総括 授業の振り返りとまとめを行う。 予習・復習(学修時間の目安:4時間以上)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: --% C: --% D: 10%
成績評価法
授業内プレゼン20%、最終レポート80%
教科書にかかわる情報
備考
講義資料を配布する。
参考書にかかわる情報
参考書 書名 物性論 : 固体を中心とした ISBN 9784785321383
著者名 黒沢達美 出版社 裳華房 出版年 2002
参考書 書名 電気伝導入門 ISBN 9784785329235
著者名 前田京剛著 出版社 裳華房 出版年 2019
参考書 書名 低次元半導体の物理 ISBN 9784621066263
著者名 J.H. デイヴィス 出版社 丸善出版 出版年 2012
参考書 書名 メゾスコピック伝導 ISBN 9784320033795
著者名 田沼静一, 家泰弘 出版社 共立出版 出版年 1999
参考書 書名 メゾスコピック系の物理学 ISBN 9784563024314
著者名 川畑有郷 出版社 培風館 出版年 1997
備考
メッセージ
キーワード
電気伝導現象、量子伝導現象、ナノ量子デバイス、ナノ加工技術、走査プローブ顕微鏡
持続可能な開発目標(SDGs)

  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
(インフラ、産業化、イノベーション)強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
関連科目
量子力学I、量子力学Ⅱ、統計力学、電子物性学、半導体工学
履修条件
条件なし
連絡先
常盤キャンパス 電気電子棟409号室
ienaga@yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
事前連絡によって適宜調整します

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