開講年度
開講学部等
2025
大学院創成科学研究科(博士前期)
開講学期
曜日時限
授業形態
AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
後期
月9~10
講義
時間割番号
科目名[英文名]
使用言語
単位数
3262320100
溶液化学特論[Solution Chemistry]
日本語
2
担当教員(責任)[ローマ字表記]
メディア授業
藤井 健太[FUJII Kenta]
ー
担当教員[ローマ字表記]
藤井 健太 [FUJII Kenta]
特定科目区分
対象学生
対象年次
ディプロマ・ポリシーに関わる項目
カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
メディア授業
×
メディア授業とは,メディアを利用して遠隔方式により実施する授業の授業時数が,総授業時数の半数を超える授業をいいます。
メディア授業により取得した単位は,卒業要件として修得すべき単位のうち60単位を超えないものとされています。
授業の目的と概要
溶液化学、特に、電解質溶液論の基礎について学習する(DP3)。
学部で習った物理化学I, IIの内容を復讐・理解した上で、溶液内のイオン反応を熱力学的および反応速度論的の観点で学習し、反応性に及ぼす反応場(溶媒、溶媒和クラスター)の役割を理解する。座学による講義に加え、事前に指定した項目について学習・調査を行い、その結果を説明するゼミ(プレゼン)形式の講義も行う(DP3, DP4)。
授業の到達目標
・溶液内内におけるイオンの溶媒和や反応性を熱力学・構造化学の観点で説明できる。
・溶媒の物性や構造に基いて、イオン溶媒和の程度や反応性を予測することができる。
・化学現象や化学反応に関する諸問題を溶液化学の観点で考察し、解決案を提示することができる。
授業計画
【全体】
溶液中の酸塩基反応やイオンの会合・錯形成および酸化還元反応といった化学における基礎反応、また、溶解や二相間分配の平衡は物質が変化・移動したときのエネルギー差であり、その特性は「分子間相互作用」に帰着する。本講義では、溶液中における溶質-溶媒間相互作用(溶媒和)と溶媒-溶媒間相互作用に関する基盤理論と熱力学・構造化学に立脚した考え方について解説する。また、物質の相互作用を調べる上で必須となる分光学的手法に関する基礎的な事項についても講義する。これら溶液化学を基盤とした最近の研究動向にも触れ、溶液中の分子間相互作用を高度に制御した機能性電解液の開発とその材料特性に関する例を紹介する。
項目
内容
授業時間外学習
備考
第1回
講義のに関するオリエンテーション
本講義の進め方、化学研究における溶液化学の位置付けについて説明する。
物理化学II、分析化学の復習をおこなっておくこと(学習の目安:2時間以上)。
第2回
溶媒の物性
分子間(溶媒間)相互作用の種類とその特性、溶媒パラメータについて学習する。
授業内で指示した課題・考察ポイントについての検討、全体の復習(学習の目安:2時間以上)。
第3回
溶媒の構造
分子間(溶媒間)相互作用の種類とその特性、溶媒パラメータについて学習する。
授業内で指示した課題・考察ポイントについての検討、全体の復習(学習の目安:2時間以上)。。
第4回
イオンと溶媒の相互作用(溶媒和エネルギー)
イオン溶媒和について、熱力学的パラメータの側面から学習する。
授業内で指示した課題・考察ポイントについての検討、全体の復習(学習の目安:2時間以上)。
第5回
イオンと溶媒の相互作用(水和構造)
イオン溶媒和の構造化学的特徴について学習する。
授業内で指示した課題・考察ポイントについての検討、全体の復習(学習の目安:2時間以上)。
第6回
イオンと溶媒の相互作用(非水溶媒中でのイオン溶媒和)
非水溶媒中におけるイオン溶媒和の熱力学的・構造化学的特徴、水溶液系(水和)との違いについて学習する。
授業内で指示した課題・考察ポイントについての検討、全体の復習(学習の目安:2時間以上)。
第7回
溶液内反応(イオン会合反応)
イオン会合反応(イオン対生成反応)についてイオン溶媒和と反応熱力学の観点から学習する。
授業内で指示した課題・考察ポイントについての検討、全体の復習(学習の目安:2時間以上)。
第8回
溶液内反応(錯形成反応)
イオンの錯体生成反応について、イオン溶媒和と反応熱力学の観点から学習する。
授業内で指示した課題・考察ポイントについての検討、全体の復習(学習の目安:2時間以上)。
第9回
溶液内反応(電極反応)
イオンの電極反応(酸化還元反応)ついて、イオン溶媒和と反応熱力学の観点から学習する。
授業内で指示した課題・考察ポイントについての検討、全体の復習(学習の目安:2時間以上)。
第10回
溶液内反応(溶媒交換反応と反応メカニズム)
イオンの反応性について、イオン溶媒和と反応速度論の観点から学習する。
授業内で指示した課題・考察ポイントについての検討、全体の復習(学習の目安:2時間以上)。
第11回
溶液内反応(溶媒交換反応と反応メカニズム)
イオンの反応メカニズムを遷移状態理論の観点で解説する(活性化パラメータ)。
授業内で指示した課題・考察ポイントについての検討、全体の復習(学習の目安:2時間以上)。
第12回
測定法と解析法(Raman分光, IR分光)
振動分光実験を用いた溶存化学種(イオン溶媒和錯体やイオン-配位子錯体)の構造決定法について学習する。
授業内で指示した課題・考察ポイントについての検討、全体の復習(学習の目安:2時間以上)。
第13回
測定法と解析法(X線散乱実験)
散乱実験を用いた溶存化学種(イオン溶媒和錯体やイオン-配位子錯体)の構造決定法について学習する。
授業内で指示した課題・考察ポイントについての検討、全体の復習(学習の目安:2時間以上)。
第14回
測定法と解析法(中性子散乱実験)
散乱実験を用いた溶存化学種(イオン溶媒和錯体やイオン-配位子錯体)の構造決定法について学習する。
授業内で指示した課題・考察ポイントについての検討、全体の復習(学習の目安:2時間以上)。
第15回
演習
これまでの内容を総合し、理解度・関心度を判定する演習を行う。
これまでの講義の総復習を行うこと。
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: --% C: --% D: --%
成績評価法
課題・宿題(レポートを含む)100%
教科書にかかわる情報
教科書
書名
溶液の化学
ISBN
4477146108
著者名
大瀧仁志著
出版社
大日本図書
出版年
1987
備考
適時プリントを配布する。
参考書にかかわる情報
参考書
書名
溶液の化学
ISBN
4477146108
著者名
大瀧仁志
出版社
大日本図書
出版年
1987
参考書
書名
無機溶液反応の化学
ISBN
9784785330583
著者名
舟橋重信
出版社
裳華房
出版年
1998
備考
メッセージ
議論を中心としたゼミ形式で講義を進めていくので、各自予習を行い、当日の議論に参加できるようにしておくこと。積極的に質問、発言を行うこと。
キーワード
溶液化学、電解質溶液論、熱力学、反応速度論、溶媒和
持続可能な開発目標(SDGs)
(エネルギー)すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する。
(持続可能な生産と消費)持続可能な生産消費形態を確保する。
関連科目
物理化学I、物理化学II、分析化学
履修条件
連絡先
藤井健太
Tel. 0836-85-9212
E-mail. k-fujii(at)yamaguchi-u.ac.jp
研究室:本館南412号室
オフィスアワー
毎週月曜日14:30~16:00
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