タイトル

開講年度 開講学部等
2025 大学院創成科学研究科(博士前期)
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
後期 木9~10 講義  
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
3262420250 システム計測工学特論Ⅱ[Advanced System Measurement II] 日本語 2
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
西藤 聖二[NISHIFUJI Seiji]
担当教員[ローマ字表記]
西藤 聖二 [NISHIFUJI Seiji]
特定科目区分   対象学生   対象年次  
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
計測では、センサで取得した測定信号を如何に有効に処理し、解釈することが重要なポイントである。本授業では、計測技術の応用として、心と機械をつなげるブレインコンピュータインターフェース (BCI) を取り上げる。BCIでは、脳の神経細胞に起源を持つ微弱な脳の信号を取得して信号の質を落としている様々な雑音を低減し、意思を反映する特徴量を抽出した後、意思判別を行う。すなわち、BCIは信号取得・前処理および特徴量抽出・意思分類の3つのステップを経てユーザの意思を解読する。BCIの構築にはハードウェアとソフトウェアの両面からのアプローチが必須であり、システム計測の典型例である。本授業を通して、信号の取得から心の解読に至るまでの技術的な知識を得るだけでなく、倫理的な面を含めた計測に関する総合的な視点を醸成することを目的とする。
注意:本授業は英語の教科書に基づいた英語のスライドで進められる。説明は日本語で行う。
授業の到達目標
1.計測システムの構築に必要な数学的知識を修得できる。
2.基礎的な神経科学の知識を修得できる。
3.システム計測工学分野で重要である信号処理と機械学習技術の基礎を理解できる。
4.脳信号を解読する計測システムの概要を理解できる。
5.システム計測分野における種々の基礎知識を理解し、計測システムを構築する能力を養うことができる。
授業計画
【全体】
本授業では、計測に必要な数学的知識から開始して、基礎神経科学、脳信号の計測技術、信号処理及び機械学習の技術、各種BCIおよびBCIの応用と倫理まで説明する。授業を通して、基礎的な計測技術をどのように応用すれば人の心を解読することができるのかについて、各項目を積み重ねながら議論していく。
担当形態:「単独」
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 1.オリエンテーション
2.ブレインコンピュータフェース (BCI)
3.数学的基礎1
1.授業の概要を説明する
2.BCIの概念を説明する
3.ベクトル、行列、線形代数
BCIの概念について理解する(学修時間の目安:復習及び準備学習4時間)
第2回 1.数学的基礎2
2.基礎神経科学1
1.確率論
2.基礎神経科学(ニューロンなど)
確率論の基礎を復習して理解を深めること(学修時間の目安:復習及び準備学習4時間)
第3回 1.基礎神経科学2
2.脳の記録と刺激1


1.脳の構造と機能
2.脳からの信号の記録方法
神経科学の基礎を復習して理解を深めること(学修時間の目安:復習及び準備学習4時間)
第4回 1.脳の記録と刺激2
2.信号処理1
1.脳を刺激する方法
2.周波数領域および時間領域の解析手法
信号処理の諸手法を復習して理解を深めること(学修時間の目安:復習及び準備学習4時間)
第5回 1.信号処理2 1.空間フィルタリング他 信号処理の諸手法を復習して理解を深めること(学修時間の目安:復習及び準備学習4時間)
第6回 1.信号処理3
2.機械学習1
1.アーティファクト低減方法
2.分類技術
空間フィルタを復習すること(学修時間の目安:復習及び準備学習4時間)
第7回 1.機械学習2 1.多クラス分類、分類性能の評価 分類技術を復習すること(学修時間の目安:復習及び準備学習4時間)
第8回 1.機械学習3
2.BCIの構築
1.回帰
2.主なBCIの型
回帰技術を復習すること(学修時間の目安:復習及び準備学習8時間)
第9回 1.侵襲型BCI1 1.動物の侵襲型BCI 侵襲型BCIを復習すること(学修時間の目安:復習及び準備学習4時間)
第10回 1. 侵襲型BCI2
2.半侵襲型BCI1
1.人間の侵襲型BCI
2.皮質脳波のBCI
侵襲型BCIを復習すること(学修時間の目安:復習及び準備学習4時間)
第11回 1.半侵襲型BCI2
2.非侵襲型BCI1
1.末梢神経信号に基づいたBCI
2.脳波のBCI
半侵襲型BCIを復習すること(学修時間の目安:復習及び準備学習4時間)
第12回 1.非侵襲型BCI2
2.刺激を利用するBCI
1.脳波以外の非侵襲型BCI
2.感覚や運動機能の回復・増強
非侵襲型BCIを復習すること(学修時間の目安:復習及び準備学習4時間)
第13回 1.双方向型及び繰り返し型BCI
2.BCIの応用 1
1.ロボットの双方向BCI制御
2.医療応用
双方向型及び繰り返し型BCIを復習すること(学修時間の目安:復習及び準備学習4時間)
第14回 1. BCIの応用2
2.BCIの倫理
1.非医療応用
2.医療、健康及び安全上の問題
3.BCI技術の悪用
4.BCIのセキュリティとプライバシー
5.法的問題
6.道徳および社会正義の問題
BCIの応用と倫理を復習すること(学修時間の目安:復習及び準備学習4時間)
第15回 期末試験 対面にて実施する。 学習した内容を復習しておくこと(学修時間の目安:復習及び準備学習12時間)
第16回 期末試験の振り返り 期末試験を解き直す 期末試験を復習すること
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: --% C: --% D: --%
成績評価法
授業中の発表、宿題、期末試験で評価します。
授業中の発表 5点、宿題 55点、期末試験40点
教科書にかかわる情報
備考
Moodleを通じて毎回資料を提供する
参考書にかかわる情報
参考書 書名 Brain- Computer Interfacing AN INTRODUCTION ISBN 9781108708012
著者名 R. P. N. Rao 出版社 Cambridge University Press 出版年 2013
備考
メッセージ
BCIは生体微弱信号の測定・信号処理・意思判別の連結によって成り立つ計測システムである。BCIに用いられている計測技術は汎用的なものが殆どであり、BCIに限らず様々な応用が可能である。これらのディジタル信号処理法を身につけて研究や将来の仕事に役立てたいという意欲を持つこと。
キーワード
計測、システム、ブレインコンピュータインターフェース
持続可能な開発目標(SDGs)

  • すべての人に健康と福祉を
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
(保健)あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。
(インフラ、産業化、イノベーション)強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
関連科目
システム計測工学特論I
履修条件
連絡先
nisifuji[at]yamaguchi-u.ac.jp
[at]は@に換えてください。
オフィスアワー
金曜日10:00-11:00

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