タイトル

開講年度 開講学部等
2025 大学院創成科学研究科(博士後期)
開講学期 曜日時限 授業形態 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
後期 未定 講義  
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
4242010050 代数系特論Ⅱ 日本語 2
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
南出 真[MINAMIDE Makoto]
担当教員[ローマ字表記]
南出 真 [MINAMIDE Makoto], 塚本 真由 [TSUKAMOTO Mayu]
特定科目区分   対象学生   対象年次  
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
授業の目的と概要
本講義では、ラマヌジャン・テータ関数、多元環の表現論に関する内容を扱う。

1.ラマヌジャン・テータ関数
ラマヌジャン・テータ関数の基本的な性質を学び, 数論的関数への応用を学ぶ.

2.多元環の表現論
本講義では, 有限次元多元環の表現論について概説する予定である. 前半部分では, クイバーと呼ばれる有向グラフを用いた多元環や加群の具体的な構成について解説する. 後半では, 加群全体の構造を扱う Auslander--Reiten 理論について概説する.
授業の到達目標
ラマヌジャンのテータ関数の講義では, テータ関数を用いて整数の分割に関する基本的な命題を理解することを目標とする. 講義の後半では, 多元環の表現論についての基本事項を理解することを目標とする.
授業計画
【全体】
第1週~第8週 ラマヌジャン・テータ関数
第9週~第15週 多元環の表現論
(担当者の都合により開講順の変更の可能性があります)
項目 内容 授業時間外学習 備考
第1回 ラマヌジャン・テータ関数 ラマヌジャン・テータ関数の定義と性質

|ab|<1 である複素数 a, b に対して, f(a,b) を

f(a,b)=\sum_{n=-\infty}^{\infty}a^{n(n+1)/2}b^{n(n-1)/2}

と定義する. これがラマヌジャンのテータ関数である.
予習復習4時間

参考書に挙げた本は図書館にありますので, それを参考に予習復習に努めて下さい.

ラマヌジャンの伝記については,
R. Kanigel 著
The Man Who Knew Infinity
をお勧めします.
第2回 one-psi-one 公式 one-psi-one 公式, q-級数に関する命題

予習復習4時間

one-psi-one 公式については,
Hardy の `Ramanujan' も参考になる.

勉強の合間に, 松本清張「葦の浮船」.

大学の先生は悪い人?
第3回 ラマヌジャン合同1 p(n) を自然数 n を自然数の和で表す方法の個数とする. 和の個数には制限を付けない. また, 和の順序のみ異なる表し方は同一視する. p(n) を分割数と呼ぶ.

分割数 p(5n+4) が 5 で割り切れることについて
予習復習4時間

勉強に苦痛を感じたら,
外山滋比古「思考の整理学」
をどうぞ. レポートを書くのに参考になります.

「先ずは書く」
第4回 ラマヌジャン合同2 分割数 p(7n+5) が 7 で割り切られることについて 予習復習4時間

レポートを書いていて, お腹が空いたら, リジー・コリンガム「インドカレー伝」.
第5回 p(n) の偶奇 分割数p(n) が奇数である n について
予習復習4時間

レポートを書くのに, 時間に追われたら, ミヒャエル・エンデの「モモ」.
第6回 平方数の和による整数の表現1 r_{k}(n) を自然数 n を k 個の平方数の和で表す方法の個数とする. ただし, 和の順序の違いや平方数を作る整数の符号の違いも考慮する.

r_{2}(n) の表示について

r_{2}(n)=\sum_{d|n, d奇数}(-1)^{(d-1)/2}

を証明する.
予習復習4時間
レポートを書くのに, 疲れたら,
小泉吉宏 「ブタのいどころ」.
第7回 平方数の和による整数の表現2 r_{4}(n) の表示について

r_{4}(n)=8\sum_{d|n, 4\nmid d}d

を示す.
予習復習4時間

レポートを書く気が起きないときは, 南方熊楠 「十二支考」.
梵英辞典を引きながら読む. かなりハード.
第8回 平方数の和による表現3 r_{6}(n) の表示について

これはかなり複雑.
予習復習4時間

勉強するのに疲れたら,
榎本博明 「教育現場は困っている」
平凡社新書, 2020.
第9回 環と加群について 環と加群の定義と例について紹介する. 予習:学部の環論の講義内容を復習する(目安時間:2時間)

復習:講義内容の確認及び講義内で出題された演習問題を解く(目安時間:2時間)
第10回 ホモロジー代数 多元環の表現論において基本的な道具であるホモロジー代数について説明する. 予習:射影加群と移入加群の定義と性質を調べる(目安時間:2時間)

復習:講義内容の確認及び講義内で出題された演習問題を解く(目安時間:2時間)
第11回 クイバーとその表現1 クイバーとその表現の定義や性質について解説する. 予習:抽象ベクトル空間について復習する(目安時間:2時間)

復習:講義内容の確認及び講義内で出題された演習問題を解く(目安時間:2時間)
第12回 クイバーとその表現2 Gabriel の定理を解説する. 予習:Dynkin 型クイバーの表現を具体例で計算する(目安時間:2時間)

復習:講義内容の確認及び講義内で出題された演習問題を解く(目安時間:2時間)
第13回 クイバーとその表現3 有限次元多元環がクイバーを用いて記述されることを紹介する. さらに, この多元環上の加群がクイバーの表現によって表される事を説明する. 予習:クイバーの表現を具体例で計算する(目安時間:2時間)

復習:講義内容の確認及び講義内で出題された演習問題を解く(目安時間:2時間)
第14回 Auslander--Reiten 理論 多元環の表現論の基礎理論の一つである Auslander--Reiten 理論について概説を行う. 予習:線形写像の定義や基本的な性質について復習する(目安時間:2時間)

復習:講義内容の確認及び講義内で出題された演習問題を解く(目安時間:2時間)
第15回 まとめと今後の展望 第9週~第14週の内容についての総括と今後の展望を述べる. 予習:第9週~第14週の授業内容を総復習する(目安時間:2時間)

復習:講義内容の確認及び講義内で出題された演習問題を解く(目安時間:2時間)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: --% C: --% D: --%
成績評価法
レポート100パーセント
教科書にかかわる情報
備考
必要に応じて指示する。
参考書にかかわる情報
参考書 書名 Number Theory in the Spirit of Ramanujan ISBN 9780821841785
著者名 B.C.Berndt 出版社 AMS 出版年 2006
参考書 書名 Ramanujan's Theta Functions ISBN 9783319561714
著者名 S. Cooper 出版社 Springer 出版年 2017
参考書 書名 行列特論 ISBN 9784785311230
著者名 草場公邦著 出版社 裳華房 出版年 2002
備考
必要に応じて指示する。
メッセージ
計算するしかない(南出)
キーワード
q-級数, ラマヌジャンのテータ関数, 平方数の和, クイバーの表現, Auslander--Reiten 理論
持続可能な開発目標(SDGs)

関連科目
代数学展開I, II, 代数学特論I, II
履修条件
連絡先
理学部本館133号室(南出)
理学部本館132号室(塚本)
オフィスアワー
各講義終了後に適宜設ける

ご自由にどうぞ(南出)

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