開講年度
開講学部等
2025
大学院創成科学研究科(博士後期)
開講学期
曜日時限
授業形態
AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
後期集中
集中
10.0
時間割番号
科目名[英文名]
使用言語
単位数
4261090080
製品開発特論[Advanced Course on New Product Development]
日本語
2
担当教員(責任)[ローマ字表記]
メディア授業
大島 直樹[OHSHIMA Naoki]
ー
担当教員[ローマ字表記]
大島 直樹 [OHSHIMA Naoki]
特定科目区分
対象学生
対象年次
ディプロマ・ポリシーに関わる項目
カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
メディア授業
×
メディア授業とは,メディアを利用して遠隔方式により実施する授業の授業時数が,総授業時数の半数を超える授業をいいます。
メディア授業により取得した単位は,卒業要件として修得すべき単位のうち60単位を超えないものとされています。
授業の目的と概要
製品開発特論」は、博士課程に在籍する理学系・工学系・農学系の大学院生を対象とし、技術ロードマッピングによって策定された中長期的な研究開発戦略を具体的な製品・サービスへと結びつけるためのプロセス・手法を学ぶ科目である。イノベーション論や経営戦略論の専門知識がなくても理解できるよう、基礎的な製品開発の理論から最新のイノベーション事例を取り上げる。
具体的には、「製品構想」「開発プロセス設計」「試作・評価・改良」「マネジメントとコラボレーション」「市場投入戦略・運用」という一連の流れを、講義および演習を通じて体得する。履修者は、前提となる「技術ロードマッピング特論」で習得したロードマップを活用し、より具体的な製品・サービス開発計画を策定し、発表を行うことで、実践的なイノベーション創出スキルを獲得することを目指す。
授業の到達目標
1. 製品開発に関する高度な専門知識の修得
・製品開発の基本概念から最新の理論・手法(ステージゲートモデル、リーン開発、アジャイル手法等)を体系的に学び、技術ロードマッピングを活用した開発計画の具体化を実践する。
・製品開発プロセス(コンセプト設計、試作・評価・改良、市場投入)を学習し、知的財産戦略、リスクマネジメント、品質管理、サプライチェーンといった要素を統合的に理解する。
2. 学際的・総合的思考力を活かした開発戦略の構築能力の向上
・社会・市場ニーズや技術動向、ステークホルダーの要求を総合的に考慮し、研究シーズを実際の製品・サービスに結びつける戦略を論理的に構築できる能力を養う。
・製品開発における多様な要因(品質・コスト・納期・環境配慮など)を適切にバランスさせながら意思決定を行い、開発方針の変更やロードマップの更新にも柔軟に対応する力を高める。
3. 研究・技術開発の戦略的遂行能力の向上
・技術ロードマッピングで策定した中長期的な研究開発計画を、具体的な製品開発プロジェクトへと展開する実践力を育む。
・プロトタイピング演習やグループワークを通じて、迅速な試作・検証・改善のサイクルを経験し、製品開発プロジェクトの推進能力を強化する。
授業計画
【全体】
本授業「製品開発特論」は、博士課程に在籍する大学院生を対象とし、技術ロードマッピングによって策定された中長期的な研究開発戦略を、具体的な製品・サービス開発へと結びつけるためのプロセスや手法を学ぶことを目的としている。授業は、製品開発の理論的基盤を学びながら、実践的なアプローチを通じて、イノベーション創出のスキルを身につける構成となっている。
授業の前半(第1回~第6回)では、製品開発の基礎概念とプロセスを体系的に学ぶ。最初に、製品開発の概要を理解し、「技術ロードマッピング特論」で学んだ内容との関連性を確認する。その後、製品開発プロセスの代表的なモデル(ステージゲートモデル、リーン開発、アジャイル手法など)を紹介し、異なる開発アプローチの特性を学ぶ。さらに、アイデア創出とコンセプト設計を中心に、ブレーンストーミングやSCAMPER、QFD(品質機能展開)などの手法を活用し、研究シーズを社会・市場ニーズへと結びつけるための手法を身につける。加えて、要件定義や機能設計を学び、ロードマップ上の技術要素を製品仕様に落とし込むプロセスを理解する。
授業の中盤(第7回~第10回)では、製品開発の実践的な要素を重視し、試作・評価・品質管理を学ぶ。プロトタイピング演習を通じて、短期間で仮説を検証し、改良を繰り返すアプローチを実践する。また、品質管理やテスト計画策定の手法(FMEA、統計的品質管理、6シグマなど)を学び、製品の信頼性や安全性を確保するための基本スキルを習得する。同時に、製品のライフサイクルを考慮した開発戦略を学び、長期的な視野で持続可能なイノベーションを創出する視点を養う。
授業の後半(第11回~第13回)では、製品開発における経営・マネジメント要素を学ぶ。産学官連携やオープンイノベーションの活用方法、知的財産戦略(特許、ライセンス、商標など)について理解を深め、開発した技術の競争優位性を確保するための考え方を学ぶ。また、市場投入戦略として、マーケティングミックス(4P)、ターゲティング、価格戦略、プロモーション手法を学び、技術シーズを社会実装につなげるための実践的な知識を身につける。さらに、プロジェクトマネジメントとリスクマネジメントの手法を学び、技術リスク、コストリスク、規制リスクなどを適切に評価し、開発プロジェクトを計画通りに進めるためのスキルを習得する。
最終フェーズ(第14回~第15回)では、受講生がグループワークで策定した製品開発計画の成果を発表する。ロードマップを活用した製品開発の全体像を説明し、他のチームや教員からのフィードバックを受けることで、企画の完成度を高める。最後に、授業全体を振り返り、製品開発やイノベーション創出のプロセスを自身の研究やキャリアにどのように活かしていくかを検討する。
項目
内容
授業時間外学習
備考
第1回
イントロダクション - 製品開発特論の概要
・授業全体の目的・進め方・評価方法の説明
・製品開発の基礎概念と本科目の位置付け
・「技術ロードマッピング特論」で習得した内容との連携ポイントの確認
復習(6時間分)のためのアサイメント
第2回
製品開発プロセス概論
・ステージゲートモデル、V字モデル、リーン開発、アジャイル開発など、代表的な製品開発プロセスの紹介
・研究開発と製品開発の相違点・共通点、大学発ベンチャー事例など
復習(6時間分)のためのアサイメント
予習(2時間分)のためのアサイメント
第3回
アイデア創出とコンセプト設計(1)
・製品コンセプト立案の重要性、アイデア発想法(ブレーンストーミング、SCAMPERなど)
・ロードマップ上の潜在的課題・ニーズを具体的なコンセプトへと変換する方法
復習(6時間分)のためのアサイメント
予習(2時間分)のためのアサイメント
第4回
アイデア創出とコンセプト設計(2)
・QFD(品質機能展開)やユーザビリティ分析など、顧客価値を定義する手法の学習・演習
・コンセプト評価基準の設定と選定プロセス
復習(6時間分)のためのアサイメント
予習(2時間分)のためのアサイメント
第5回
要件定義と機能設計
・要件定義書(要求仕様書)の作成方法、機能分解、機能配置
・「技術ロードマッピング特論」で策定したロードマップの技術要素を要件定義に落とし込む演習
復習(6時間分)のためのアサイメント
予習(2時間分)のためのアサイメント
第6回
詳細設計と試作計画
・設計手法(CAD/CAE、デザイン思考など)の基礎
・試作品の種類(概念実証用試作、機能検証用試作、ユーザテスト用試作など)と計画方法
復習(6時間分)のためのアサイメント
予習(2時間分)のためのアサイメント
第7回
プロトタイピング演習(グループワーク)
・グループに分かれ、仮想の製品開発テーマを設定し、簡易的なプロトタイプ(模型、UIモックアップ、シミュレーションなど)を作成
・グループ内外からのフィードバック取得
復習(6時間分)のためのアサイメント
予習(2時間分)のためのアサイメント
第8回
評価・テストと品質管理
・テスト計画策定(機能テスト、信頼性試験、ユーザテスト等)
・QC手法(統計的品質管理、FMEA、6シグマなど)の基礎
復習(6時間分)のためのアサイメント
予習(2時間分)のためのアサイメント
第9回
コストマネジメントとサプライチェーン
・製品コストの要素分析(原材料、加工、流通、サポート等)
・サプライチェーン管理の基礎(調達、生産、流通、在庫管理など)
・コスト最適化と品質・納期のバランスをどう取るか
復習(6時間分)のためのアサイメント
予習(2時間分)のためのアサイメント
第10回
製品ライフサイクルと持続的イノベーション
・製品ライフサイクル(導入期、成長期、成熟期、衰退期)と開発戦略
・SDGsやカーボンニュートラルなど、社会・環境に配慮した持続的イノベーションの視点
復習(6時間分)のためのアサイメント
予習(2時間分)のためのアサイメント
第11回
外部連携と知的財産戦略
・産学官連携やオープンイノベーションのスキームと事例紹介
・特許・商標・意匠・著作権などの知的財産戦略を製品開発に組み込む方法
復習(6時間分)のためのアサイメント
予習(2時間分)のためのアサイメント
第12回
市場投入戦略とマーケティング
・製品ポジショニング、ターゲット設定、マーケティングミックス(4Pなど)
・プロモーション、価格設定、チャンネル選択とその戦略的考え方
復習(6時間分)のためのアサイメント
予習(2時間分)のためのアサイメント
第13回
リスクマネジメントとプロジェクトマネジメント
・製品開発におけるリスクの種類(技術リスク、コストリスク、規制リスクなど)と対策
・ガントチャートやWBSを使った開発スケジュール管理、チームビルディング
復習(6時間分)のためのアサイメント
予習(2時間分)のためのアサイメント
第14回
最終プレゼンテーション(グループワーク成果発表)
・グループごとに、ロードマップを活用して策定した製品開発計画(コンセプト設計~市場投入戦略まで)の発表
・他チーム・教員からのフィードバック・質疑応答
復習(6時間分)のためのアサイメント
予習(2時間分)のためのアサイメント
第15回
総括・振り返りと今後の展望
・本授業の総括・学修成果の振り返り
・今後の研究活動やキャリアにおける製品開発・イノベーション創出の活用可能性の検討
・受講生・教員双方からの最終コメント、質疑応答
復習(6時間分)のためのアサイメント
予習(2時間分)のためのアサイメント
第16回
総括・振り返りと今後の展望
・本授業の総括・学修成果の振り返り
・今後の研究活動やキャリアにおける製品開発・イノベーション創出の活用可能性の検討
・受講生・教員双方からの最終コメント、質疑応答
予習(2時間分)のためのアサイメント
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: 30% B: --% C: 30% D: 40%
成績評価法
グループワークの成果と最終課題レポートで評価します。
教科書にかかわる情報
備考
講義資料は、授業ごとに修学支援システムにアップロードします。
参考書にかかわる情報
備考
メッセージ
キーワード
持続可能な開発目標(SDGs)
関連科目
履修条件
連絡先
大島直樹 大学院技術経営研究科(常磐キャンパス)
nohshima@yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
毎週 金曜日、午前10時〜12時
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