開講年度
開講学部等
2025
大学院創成科学研究科(博士後期)
開講学期
曜日時限
授業形態
AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期前半
金1~2
4.5
時間割番号
科目名[英文名]
使用言語
単位数
4261090225
知的財産特論[Advanced Intellectual Property]
日本語
1
担当教員(責任)[ローマ字表記]
メディア授業
生田 容景
ー
担当教員[ローマ字表記]
生田 容景
特定科目区分
対象学生
対象年次
ディプロマ・ポリシーに関わる項目
カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
メディア授業
×
メディア授業とは,メディアを利用して遠隔方式により実施する授業の授業時数が,総授業時数の半数を超える授業をいいます。
メディア授業により取得した単位は,卒業要件として修得すべき単位のうち60単位を超えないものとされています。
授業の目的と概要
21世紀の持続的発展可能な社会を築くためには、イノベーションが必要とされています。科学技術をベースにするイノベーションを実現するには、研究者の知的活動を権利として保護・活用する必要があります。知的財産権(特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権)などはイノベーション創出で大事な役割を果たします。本講義では、これらの知的財産権について学びます。
授業の到達目標
大学院修了後に研究開発職等に就こうとする学生にとっては、知的財産権の知識は必須です。この講義では、知的財産権について講義と演習を交えながら学びます。主たる内容は、①知的財産権の全体像、②実社会における知的財産の価値と活用、③特許制度、④特許情報の調査・分析、⑤研究倫理と知的財産、です。
(1)知的財産権の創出・保護・活用について、事例紹介も織り込みながらその概要を理解します。特許権取得が可能な発明についても事例研究をしながら理解します。さらに、日本最大の技術データベースであるJ-PlatPatを用い、受講者が行っている自身の研究テーマに関して、特許情報の調査・分析を行います。事例や演習等においては、知的財産の総合的な観点からの初歩的な対応能力の形成を目指します。こうしたプロセスを通じて、体系的な知識を獲得してもらうことを目標とします。
(2)演習や課題、特に特許情報の調査・分析を行う過程では思考力と判断力が問われます。これらの演習や課題を通して、思考力と判断力を養成します。
(3)知財は基礎的な“知識”も大事ですが、研究開発現場などの実社会においては知財を“意識”することも大事です。発明が生まれてもそれに気づかれなければ宝の持ち腐れになりますし、他者の権利を尊重しながら研究開発を行うことも重要です。事例や演習等を通して、普段から知財を“意識”することを涵養します。
授業計画
【全体】
本講義では、知的財産権の概要を事例をもとに講述するとともに、実社会で行っている事例をもとに知財の観点から問題があるか(気づき)、法的に違法性があるか(見つける)、どのように対応したらよいか(見極める)など、知的財産の総合的な観点からの演習等を行います。また特許制度について詳しく解説すると共に、特許情報へのアクセスと調査・分析についても紹介し、受講者が行っている自身の研究テーマに関して特許情報の調査・分析を行います。論文情報だけでなく、特許情報を調べることは、受講者自身の大学院での研究活動にプラスになります。また研究倫理と知的財産の関係について考え、特に著作権法の観点からみた研究倫理について概説します。
項目
内容
授業時間外学習
備考
第1回
ガイダンス
知的財産権の全体像~産業財産権~
講義概要・全体スケジュールについて説明します。
知的財産権のうち産業財産権(特許権、実用新案権、意匠権、商標権)について概説します。
講義資料をみなおし、ワークシートを行う。身の回りにある知的財産を探す。
(目安時間:2時間)
第2回
知的財産権の全体像~著作権、育成者権、不正競争防止法、他~
知的財産権のうち、著作権、回路配置利用権、育成者権、不正競争防止法、地理的表示法、商法・会社法について概説します。
講義資料をみなおし、ワークシートを行う。身の回りにある知的財産を探す。
(目安時間:2時間)
第3回
実社会における知的財産~企業活動と知的財産~
事例をもとに、実社会における知的財産の価値を実感すると共に、企業活動と知的財産について考えます。
講義資料をみなおし、ワークシートを行う。身の回りにある知的財産を探す。
(目安時間:2時間)
第4回
知っておきたい特許制度の基礎
特許制度の目的、特許出願から権利取得までの流れ、特許取得要件、新規性喪失の例外、発明の把握等について概説します。
講義資料をみなおし、ワークシートを行う。身の回りにある知的財産を探す。
(目安時間:2時間)
第5回
ものづくり・研究開発と特許情報~特許情報へのアクセスと活用
ものづくりと知的財産、特許情報と研究開発、従来技術の把握、特許情報へのアクセス(J-PlatPat、YUPASSなど)等について概説します。自己の研究内容に最も近い特許文献の調査課題に取組みます(時間外学習:課題レポート)。
課題レポートを行う。講義資料をみなおし、ワークシートを行う。身の回りにある知的財産を探す。
(目安時間:3時間)
第6回
特許出願書類と特許権の範囲・効力
特許出願に必要な書類(願書・特許請求の範囲・明細書・図面・要約)、論文との関係について説明すると共に、請求項の作成演習を行います。また特許権侵害(直接侵害・間接侵害)について概説し、特許権の及ぶ範囲について考えます。
講義資料をみなおし、ワークシートを行う。身の回りにある知的財産を探す。
(目安時間:2時間)
第7回
研究倫理と知財~著作権からみた研究倫理~
著作権法の基礎知識を確認しながら、知財権の原始的取得者とオーサーシップ、引用の作法、学会の投稿規定と権利関係、研究ノートなどについて概説します。
講義資料をみなおし、ワークシートを行う。身の回りにある知的財産を探す。
(目安時間:2時間)
第8回
総括と定期試験
これまでの講義内容を踏まえた定期試験を行います。
試験内容を振り返る。身の回りにある知的財産を探す。
(目安時間:2時間)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: 15% B: 15% C: 15% D: --%
成績評価法
定期試験(50%)及び、授業内レポート・授業外レポート(50%)を総合して評価します。
授業内レポート・授業外レポートについては、①ワークシート(原則、毎回)、②小レポート(原則、毎回)、③レポート課題(1回)を予定。
なお、出席は欠格条件です(「大学での授業は,すべて出席していることが前提」(2024年度共通教育履修案内より))
教科書にかかわる情報
備考
講義資料は必要に応じて配布又は配信します。詳細については初回講義のガイダンス時にお知らせします。
参考書にかかわる情報
参考書
書名
これからの知財入門〜変革の時代の普遍的知識〜(第3版)
ISBN
9784296201952
著者名
国立大学法人山口大学 研究推進機構 知的財産センター
出版社
日経BP
出版年
2023
参考書
書名
たのしい著作権法2019年版
ISBN
9784990393557
著者名
著者 小川明子 制作・著作 山口大学
出版社
山口ティー・エル・オー
出版年
2019
参考書
書名
別冊楽しい著作権法2021
ISBN
9784990393588
著者名
著者 小川明子 制作・著作 山口大学
出版社
山口ティー・エル・オー
出版年
2021
参考書
書名
標準特許法(第7版)
ISBN
9784641243453
著者名
高林龍
出版社
有斐閣
出版年
2020
参考書
書名
知財で一句!「かるたでわかる知的財産」
ISBN
9784991270505
著者名
生田容景(解説テキスト・イラスト・図・写真)、李鎔璟・陳内秀樹・大塚裕一・藤本昌平(かるたテキスト)、他
出版社
山口ティー・エル・オー
出版年
2023
備考
メッセージ
出席確認システムは使いませんので学生証をかざす必要はありません(初回のみ自由席、以降は座席指定の予定)。
キーワード
知的財産権、発明、特許、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)、特許公報、イノベーション、研究開発、著作権、研究倫理。
持続可能な開発目標(SDGs)
(経済成長と雇用)包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する。
(インフラ、産業化、イノベーション)強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
関連科目
①「知的財産入門」(共通教育・必修)、②「ものづくりと知的財産」(共通教育・選択)、③「知財情報の分析と活用」(共通教育・選択)、④「特許法」(共通教育・選択)、⑤「意匠法」(共通教育・選択)、⑥「商標法」(共通教育・選択)、⑦「著作権法」(共通教育・選択)、⑧「不正競争防止法」(共通教育・選択)、⑨「標準化とビジネス」(共通教育・選択)、⑩「コンテンツ産業と知的財産」(共通教育・選択)、⑪「農業と知的財産」(共通教育・選択)
履修条件
連絡先
大学研究推進機構 知的財産センター(常盤キャンパス)
yklee@yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
学習相談がある方は、①講義の前後に話かけて頂くか、あるいは知的財産センターの方に来てください。②やむを得ない事情がある場合はメールでご連絡ください。但し、「欠席」に関する連絡はメールではしないでください。必ず、講義の前後などに直接口頭で言いに来てください(事後の場合は休んだ回の翌週で結構です)。
ページの先頭へ