開講年度
開講学部等
2025
大学院技術経営研究科
開講学期
曜日時限
授業形態
AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期分割
土1~6
講義
2.0
時間割番号
科目名[英文名]
使用言語
単位数
8061000004
会計・エコノミクス特論[Finance/Accounting & Business Economics]
日本語
2
担当教員(責任)[ローマ字表記]
メディア授業
松浦 良行[MATSUURA Yoshiyuki]
ー
担当教員[ローマ字表記]
松浦 良行 [MATSUURA Yoshiyuki]
特定科目区分
対象学生
対象年次
ディプロマ・ポリシーに関わる項目
カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
メディア授業
×
メディア授業とは,メディアを利用して遠隔方式により実施する授業の授業時数が,総授業時数の半数を超える授業をいいます。
メディア授業により取得した単位は,卒業要件として修得すべき単位のうち60単位を超えないものとされています。
授業の目的と概要
本講義は、経済学や経営学を体系的に学習したことがない技術系社会人を想定し、今後技術経営を学習するにあたって必要となる、①商業簿記・財務分析、②管理会計、③ミクロ経済学の基礎知識と考え方について学ぶ。
技術経営を企業活動の中に正しく位置付けるには、企業経営の成功を測るための尺度としての財務数値の構造的な特徴の把握は必須である。財務諸表が作成される基本的な原則とプロセスを理解し、それぞれの数値が相互にどのような連関を持っているのかという意味を理解することが求められる。これを理解することにより適切な数値指標に基づく企業経営が可能となる。投資の評価方法などの企業財務の基礎的な考え方を身につける。
管理会計については、技術系人材も関連するツールや情報は日常的に取り扱っていると想定されるが、その背後にある理論や仮定その他について学習する機会はほとんどないため、これらの基礎固めをすることを目指している。
ミクロ経営学の考え方は、戦略立案などにおいて活用される各種環境分析や戦略立案アプローチの基盤を構成している。これら戦略ツールを正しく使いこなすための理論的背景を理解する。
授業の到達目標
財務諸表が作成される基本的な原則とプロセスを理解できる。
管理会計の基本的なツールを活用できるようになる。
基礎的なミクロ経済学における諸仮定を理解したうえで、現実社会における現象に適用して分析できるようになる。
授業計画
【全体】
本講義は、企業経営や事業経営を定量的に分析するためのツールである会計の基礎知識とミクロ経済学の基礎知識について概括的に学習し、今後履修する講義の土台となるようにデザインされている。コースは、①財務会計の基礎知識、②原価計算・管理会計の基礎知識、③ミクロ経済学の基礎知識の三つに大きく分けられる。
項目
内容
授業時間外学習
備考
第1回
財務会計の概要と特徴
・講義全体の概要
・企業経営と会計
・制度会計の変化のトレンドと特徴
予習・復習(4時間)
第2回
主要財務諸表とその構造
・損益計算書、貸借対照表の構造と項目
・会計報告の前提と仮定
予習・復習(4時間)
第3回
損益計算の流れ
・売上原価と製造原価の計算と処理
・減価償却の計算と処理
・費用収益の見越と繰延
予習・復習(4時間)
第4回
財務諸表分析の基礎(1)
・代表的な財務比率の理解
・デュポン方式による分析
予習・復習(4時間)
第5回
財務諸表分析の基礎(2)
・財務諸表の時系列分析
?株価と財務比率の関係
予習・復習(4時間)
第6回
財務諸表分析の基礎(3)
・スコアリングを活用した企業のマッピング
予習・復習(4時間)
第7回
原価会計の基礎(1)
・コストビヘイビア
・製造間接費の取り扱い
予習・復習(4時間)
第8回
原価計算の基礎(2)
・総合原価計算の一巡
予習・復習(4時間)
第9回
管理会計の基礎
・損益分岐点分析
・直接原価計算
・プライシングと管理会計
予習・復習(4時間)
第10回
ミクロ経済学の基礎(1)
・ミクロ経済学の目的と重要概念
・消費者行動
予習・復習(4時間)
第11回
ミクロ経済学の基礎(2)
・企業行動と費用曲線
予習・復習(4時間)
第12回
ミクロ経済学の基礎(3)
・需要と供給の均衡
予習・復習(4時間)
第13回
ミクロ経済学の基礎(4)
・不完全競争
予習・復習(4時間)
第14回
ミクロ経済学の基礎(5)
・市場の失敗
予習・復習(4時間)
第15回
ミクロ経済学の基礎(6)
・情報の非対称性
・ゲーム理論の基礎
予習・復習(4時間)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: 10% C: --% D: 10%
成績評価法
講義への参加度:30%、期末試験;70%
教科書にかかわる情報
備考
当方で講義資料を準備します。
参考書にかかわる情報
参考書
書名
会計学入門
ISBN
9784532113261
著者名
桜井久勝
出版社
日経文庫
出版年
2015
参考書
書名
管理会計入門
ISBN
9784532107949
著者名
加登豊
出版社
日経文庫
出版年
1999
参考書
書名
ミクロ経済学の第一歩 = FIRST STEPS IN MICROECONOMICS
ISBN
9784641150058
著者名
安藤至大
出版社
有斐閣
出版年
2013
備考
本講義は、今後当研究科で他マネジメント系科目履修での前提となる財務会計、管理会計、企業財務、ミクロ経済学といった広範な領域の基礎を扱います。限られた講義回数ですので、各領域について網羅的な講義を行うことはできません。参考書は講義の補助教材というよりは、自学用の教材だと理解して、これら入門書で各科目の全体像を把握するように努めてください。参考書に掲げたものに関する質問は大歓迎です。
メッセージ
標準的な経済学や経営学では、明示的・暗示的に「企業価値」を高めることが企業目的であると想定されています。ほとんどの技術系人材にとって、価値最大化とは何かを日常的に意識する機会はあまりないと思いますが、皆さんが学ぶマネジメント系科目のほとんどがこれを前提として構築され、また様々なマネジメントツールも発展しています。これを機会に皆さんが日常的な利用している業績評価の枠組みがどういった背景に基づくものなのかを理論的に理解しておくことは、技術と経営を結び付けて考える際に極めて重要ですので、積極的な学習、特に毎回の復習を十分に行って理解を深めてください。また、扱う範囲が大変広いため、講義進捗によっては補講を実施する、ないしは適宜宿題として各自で実習を行ってもらう場合もあると思います。
キーワード
損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書、財務分析、投資分析、管理会計、消費者行動、企業行動、市場、ゲーム理論
持続可能な開発目標(SDGs)
(経済成長と雇用)包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する。
(インフラ、産業化、イノベーション)強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
関連科目
すべての科目と一定程度以上の関連がありますが、特にビジネスファイナンス特論は本科目の学習到達状況を見ながら内容を一部修正していく予定であるため、強い関連性があります。
履修条件
連絡先
matu@yamaguchi-u.ac.jp(内線9947)
オフィスアワー
特に設定しませんが、基本的に講義の前後で問い合わせには対応いたします。事前にメールをください。
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