開講年度
開講学部等
2025
大学院技術経営研究科
開講学期
曜日時限
授業形態
AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期集中
集中
講義
3.5
時間割番号
科目名[英文名]
使用言語
単位数
8061000010
ライフサイエンスMOT特論[Life Science MOT]
日本語
2
担当教員(責任)[ローマ字表記]
メディア授業
石野 洋子[ISHINO Yoko]
ー
担当教員[ローマ字表記]
石野 洋子 [ISHINO Yoko]
特定科目区分
対象学生
対象年次
ディプロマ・ポリシーに関わる項目
カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
メディア授業
×
メディア授業とは,メディアを利用して遠隔方式により実施する授業の授業時数が,総授業時数の半数を超える授業をいいます。
メディア授業により取得した単位は,卒業要件として修得すべき単位のうち60単位を超えないものとされています。
授業の目的と概要
本特論では、バイオテクノロジー産業・製薬産業について焦点をあてる。これらの産業では、企業が深く基礎的研究に携わっていて、サイエンスとビジネスが密接不可分なところに大きな特徴がある。そのため、不確実性が顕著で、ビジネスが「ハイリスク・ハイリターン」型となる。サイエンスに基礎をおくビジネスが直面する特有の課題は、既存のビジネスモデル、アプローチ、制度や仕組みでは対応しきれない。サイエンス・ビジネスの重要な特徴(不確実性、複雑性、学際性、変化の速さ)を理解したうえで、当該企業の解決すべき課題を考える必要がある。テクノロジーのイノベーションとビジネスのイノベーションは、どのような関係にあるのが望ましいのか、これまでに興ったケースを検証し、あるべき企業戦略、ビジネスモデルについて論じる。
授業の到達目標
バイオサイエンスに依拠する業界の特徴を理解し、どのような課題があるかについて、概要を説明できる。バイオサイエンス企業のイノベーションの成功の確率を高めるためにはどのように取り組めば良いかについて考えることができる。
授業計画
【全体】
製薬・バイオテクノロジー産業のイノベーションとビジネスについて、他の産業におけるビジネスモデルとの違いを理解し、必要な思考の枠組みと実践のための方法論を活用できるようにする。
項目
内容
授業時間外学習
備考
第1回
バイオテクノロジーの発展と産業化(1)
バイオテクノロジー産業として、農業、工業、医薬品産業、の3大カテゴリーについて概説する。バイオサイエンスの発見とそれに伴って開発された技術の主なトピックスについて解説する。
基盤科目の「イノベーション・マネジメント」を復習しておくこと。
(学修時間の目安:4時間)
第2回
バイオテクノロジーの発展と産業化(2)
バイオサイエンスの発見に伴い、目覚ましい勢いで進歩しているバイオテクノロジー(技術)の概略を解説する。企業の技術戦略がどのように変わってきたかについて、米国の事例をもとに学ぶ。
予習・復習 (学修時間の目安:4時間)
第3回
医薬品産業のエコシステム
医薬品産業に焦点を当て、新薬開発プロセスの複雑な構造、製薬R&Dの特異性と課題について説明する。最後に、医薬品産業のエコシステムについて述べる。
予習・復習 (学修時間の目安:4時間)
第4回
バイオ分野における国の政策(1)
バイオテクノロジー・製薬産業に影響を及ぼす政府の政策と規制について概説する。新型コロナウイルスのパンデミックへの各国の対策についても述べる。
予習・復習 (学修時間の目安:4時間)
第5回
バイオ分野における国の政策(2)
バイオテクノロジー・製薬産業に影響を及ぼす政府の政策と規制について解説を行う。SDGsをこの産業で取り入れていくにはどのようにしたらよいか考察する。
予習・復習 (学修時間の目安:4時間)
授業後、レポート課題を行い、提出する。
第6回
特許の価値とは
医療機器の事例を紹介しながら、特許の価値をどう捉えるかについて考察する。
基盤科目で習った知的財産権について復習しておくこと。
予習・復習 (学修時間の目安:4時間)
第7回
特許戦略とMOT
コア技術を単なる防衛的観点で知財にするのではなく、中長期的な事業育成を視野に入れた攻める姿勢での戦略構築が必要になることを説明する。
予習・復習 (学修時間の目安:4時間)
第8回
バイオ分野の発明の特許保護の在り方
最近の米国の動向も紹介しながら、バイオ分野の発明の特許保護はどうあるべきかについて学ぶ。
予習・復習 (学修時間の目安:4時間)
第9回
バイオ分野の特許戦略
バイオ分野の特許の実例を示しながら、J-PlatPatを用いた特許調査の実習を行う。
予習・復習 (学修時間の目安:4時間)
授業後、レポート課題を行い、提出する。
第10回
医療者による診療事例、研究例
実際の医療現場において、新規の医薬品や医療機器がどのように使われているか、また、研究開発と診療との関係について、実例を交えて解説する。また、バイオベンチャーを立ち上げた実例を紹介し、現実的な課題について議論する。
予習・復習 (学修時間の目安:4時間)
第11回
バイオテクノロジー・ビジネス(ベンチャー)の事例発表(1)
各自が採り上げたバイオベンチャーについて、その企業活動、ビジネスモデル、用いているコア技術、収益構造、強み弱み、将来展望等について発表する。
予習・復習 (学修時間の目安:6時間)
授業前に、課題についてのプレゼンテーションの練習をしておく。
第12回
バイオテクノロジー・ビジネス(ベンチャー)の事例発表(2)
バイオベンチャーについて調べたことを各自が発表した後、アムジェンのケースを通じて、バイオベンチャーに必要な事項について討論する。我が国のバイオベンチャーの課題についても討議する。
予習・復習 (学修時間の目安:4時間)
第13回
知的財産権の「収益化」のメカニズム
大学から産業界への技術移転、ベンチャーキャピタルと株式市場、企業間同士の関係を通じて、知的財産権の収益化がどのように形成されているか学び、「リスク管理、すり合わせ、学習」という3つの課題をどの程度解決できているのかみていく。
予習・復習 (学修時間の目安:4時間)
第14回
データによるイノベーション創出の検証
科学技術はベンチャー企業の育成にいかにして役立つのか、起業家が特定の地域に集積する理由は何か、など、これまでの講義で学んだ中で生まれる疑問について、統計的にデータを定量分析することで解に近づく方法を紹介する。
予習・復習 (学修時間の目安:4時間)
第15回
製薬業界以外のライフサイエンス・ビジネス
製薬業界以外のライフサイエンス・ビジネスとして、医療機器、機能性食品について取り上げる。
予習・復習 (学修時間の目安:4時間)
授業後、レポート課題を行い、提出する。
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: 15% B: 10% C: --% D: 10%
成績評価法
レポート課題(3回)、授業中における討論への参加態度、発言内容およびグループワークへの取組みなどを総合して評価します。課題レポート(70%)、授業態度・授業への参加度(15%)、発表(プレゼン)(15%)
教科書にかかわる情報
備考
特に教科書は設定しない。講義資料は、印刷して配布する。
参考書にかかわる情報
参考書
書名
Science Business: The Promise the Reality and the Future of Biotech
ISBN
9781591398400
著者名
Gary P. Pisano
出版社
Harvard Business School Press
出版年
2006
備考
上記以外の参考文献は授業で紹介する。
メッセージ
キーワード
サイエンス・ビジネス、バイオサイエンス、イノベーション、知財戦略、R&Dマネジメント
持続可能な開発目標(SDGs)
(飢餓)飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。
(保健)あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。
(インフラ、産業化、イノベーション)強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
(持続可能な生産と消費)持続可能な生産消費形態を確保する。
関連科目
イノベーション・マネジメント
履修条件
連絡先
e-mail: ishino.y[at]yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
固定的な時間帯は特に設けず、質問や相談があるときは、適宜上記連絡先へ連絡して下さい。
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