開講年度
開講学部等
2025
大学院技術経営研究科
開講学期
曜日時限
授業形態
AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
前期前半
金1~4
講義
10.0
時間割番号
科目名[英文名]
使用言語
単位数
8061100008
創造的問題解決特論[Theory of Inventive Problem Solving]
英語
2
担当教員(責任)[ローマ字表記]
メディア授業
大島 直樹[OHSHIMA Naoki]
ー
担当教員[ローマ字表記]
大島 直樹 [OHSHIMA Naoki], 上西 研 [KAMINISHI Ken]
特定科目区分
対象学生
秋入学者クラス
対象年次
ディプロマ・ポリシーに関わる項目
カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
メディア授業
×
メディア授業とは,メディアを利用して遠隔方式により実施する授業の授業時数が,総授業時数の半数を超える授業をいいます。
メディア授業により取得した単位は,卒業要件として修得すべき単位のうち60単位を超えないものとされています。
授業の目的と概要
1990年代に入り発展してきたTRIZ理論を中心とする創造的問題解決理論は、イノベーションの観点から事業や組織革新に向けた学際的分野としての体系化が計られつつある。その目的はテクノロジーのレベルアップやイノベーションの創出はもとより,最終的には事業や経営への貢献であり,MOT(技術経営)にとって重要な理論体系の一つである。
90年代のIT技術の発達と共に、これらの理論と哲学がソフトウェア化され、より使いやすく、またより理解しやすくなってきており、企業においてシステマティックでかつ革新的な知的創作に大きく寄与しつつある。そして、これらは、世界の特許データベースに入り,効率よく革新に関わる知的財産にアクセスでき,また,戦略的な知的財産創造をガイドしてくれるものである。特に、本科目で中心的に扱うTRIZ理論は250万件の特許の分析結果に基づくテクノロジー予測、進化のトレンド分析、矛盾マトリックス分析と解決策の提示など帰納的な理論体系を持っており,本科目を受講することにより以下のような効果が期待できる。
・問題発見、問題分析、問題解決、コンセプト評価能力の向上
・新商品、革新的商品の開発能力の向上
・革新的な発明創出能力の向上
・特許の高付加価値化、知財化を戦略的かつシステマティックに展開する能力の向上
・テクノロジーの事業性評価能力及び開発投資の意思決定能力の向上
授業の到達目標
・高度な専門知識と理論的フレームワークの習得
問題解決手法、イノベーション・プロセスなどの基礎理論を体系的に理解する。
これらの知識を活用して、自身の専門分野における課題や新規ビジネス創出の可能性を理論的に分析できるようになる。
・学際的・総合的思考力による創造的課題解決能力の向上
工学や経営学、社会科学など複数分野の視点を組み合わせてアプローチすることで、新たな価値を創出する力を養う。
技術要素、経営資源、社会的インパクトをトータルに見据えた問題設定・仮説構築・実行計画立案の一連のプロセスを学習し、変化が激しい環境下でも柔軟に対応する思考法を身につける。
授業計画
【全体】
基礎的な知識や背景については、具体的な事例をあげながら講義形式で解説する。そして、具体的な課題の解決策を提案する演習を行う。
学習の仕方
・授業前に配布する講義資料に沿って授業を進めるので、講義資料にある内容を理解するように努める。参考図書は補助教材として個人的に読めばよい。
・授業内で行う事例演習は、自ら進んで発言することによって理解が促進されるので、積極的に自分の考えを発言する。
・課題解決演習では自分の抱えている課題を解決するという強い意思を持って取組む。
項目
内容
授業時間外学習
備考
第1回
創造的問題解決の概要
・創造的問題解決とは何か
・問題解決のプロセス
・創造性の阻害要因
・主な創造技法についての基礎知識と演習
予習:授業の概要に基づいて、関連事項を調べておくこと(目安 2時間)。
復習:オンデマンドを活用して授業を振り返りること(目安 2時間)。
第2回
TRIZの概要
・TRIZとは何か
・発明の分析
・TRIZの三つの発見
・TRIZの体系/構成
予習:授業の概要に基づいて、関連事項を調べておくこと(目安 2時間)。
復習:オンデマンドを活用して授業を振り返りること(目安 2時間)。
第3回
イノベーションと技術革新のダイナミズム、矛盾・対立と発明原理
・イノベーションの指標化
・技術システムの進化とSカーブ
・Sカーブのダイナミズム
・破壊的イノベーションのメカニズム
・技術問題における矛盾の概念
・発明原理と矛盾マトリックス
・発明原理の演習
予習:授業の概要に基づいて、関連事項を調べておくこと(目安 2時間)。
復習:オンデマンドを活用して授業を振り返りること(目安 2時間)。
第4回
矛盾の解法と演習、技術進化の法則とトレンド
・物理的矛盾の解法(4つの分離戦略)
・ビジネスにおける物理的矛盾の演習
・技術的矛盾の解法
・技術的矛盾の演習
・技術進化の法則
・進化のトレンド
・技術進化のレーダーチャート
・知財戦略へのトレンド分析の適用
予習:授業の概要に基づいて、関連事項を調べておくこと(目安 2時間)。
復習:オンデマンドを活用して授業を振り返りること(目安 2時間)。
第5回
事例演習(1)ノーバッテリーライトの問題
・機能モデル作成の演習
・トリミングする演習
・解決策を考える演習(科学的効果の活用)
・レポート作成の演習
予習:授業の概要に基づいて、関連事項を調べておくこと(目安 2時間)。
復習:オンデマンドを活用して授業を振り返りること(目安 2時間)。
第6回
事例演習(2)ゴルフクラブ用袋に空気を入れる問題
・機能モデル作成の演習
・機能モデル間の詳細設定の演習
・解決策を考える演習(科学的効果、発明原理、進化のパターンの活用)
・レポート作成の演習
予習:授業の概要に基づいて、関連事項を調べておくこと(目安 2時間)。
復習:オンデマンドを活用して授業を振り返りること(目安 2時間)。
第7回
成果報告書の作成法
・問題解決の進み方
・根本原因分析
・問題定義
・コンセプトのまとめ方
予習:授業の概要に基づいて、関連事項を調べておくこと(目安 2時間)。
復習:オンデマンドを活用して授業を振り返りること(目安 2時間)。
第8回
成果報告書の作成演習(1)レーザマーキングの問題(1)
・問題状況説明
・問題解決で歩んだルート
・レーザマーキングの理解
・機能モデルの作成
・問題定義(ソリューションマネージャー)
予習:授業の概要に基づいて、関連事項を調べておくこと(目安 2時間)。
復習:オンデマンドを活用して授業を振り返りること(目安 2時間)。
第9回
成果報告書の作成演習(2)レーザマーキングの問題(2)
・進化パターンとコンセプト
・IM科学的効果/事例とコンセプト
・技術的矛盾の設定
・物理的矛盾の設定
・コンセプト選択
・コンセプト結合
予習:授業の概要に基づいて、関連事項を調べておくこと(目安 2時間)。
復習:オンデマンドを活用して授業を振り返りること(目安 2時間)。
第10回
実課題の創造的問題解決演習(1)
・課題設定
・知識探索
・機能分析
・根本原因分析
予習:授業の概要に基づいて、関連事項を調べておくこと(目安 2時間)。
復習:オンデマンドを活用して授業を振り返りること(目安 2時間)。
第11回
実課題の創造的問題解決演習(2)
・問題定義(ソリューションマネージャー)
・IM科学的効果/事例とコンセプト
・進化パターンとコンセプト
・矛盾の設定とコンセプト
予習:授業の概要に基づいて、関連事項を調べておくこと(目安 2時間)。
復習:オンデマンドを活用して授業を振り返りること(目安 2時間)。
第12回
実課題の創造的問題解決演習(3)
・コンセプト一覧
・コンセプト選択
・コンセプト結合
予習:授業の概要に基づいて、関連事項を調べておくこと(目安 2時間)。
復習:オンデマンドを活用して授業を振り返りること(目安 2時間)。
第13回
レポートの作成
ゴルドファイヤーイノベーションによるレポートの作成
予習:授業の概要に基づいて、関連事項を調べておくこと(目安 2時間)。
復習:オンデマンドを活用して授業を振り返りること(目安 2時間)。
第14回
課題解決の発表資料作成
パワーポイント資料の作成
予習:授業の概要に基づいて、関連事項を調べておくこと(目安 2時間)。
復習:オンデマンドを活用して授業を振り返りること(目安 2時間)。
第15回
課題解決の発表とまとめ
パワーポイント資料による発表と意見交換
予習:授業の概要に基づいて、関連事項を調べておくこと(目安 2時間)。
復習:オンデマンドを活用して授業を振り返りること(目安 2時間)。
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: 30% B: --% C: 30% D: 40%
成績評価法
グループワークの成果発表と最終課題レポートで評価します。
教科書にかかわる情報
備考
講義資料は授業の前までにMoodleにアップします。
参考書にかかわる情報
備考
参考図書:署名「体系的技術革新」、出版社「㈱創造開発イニシアチブ」、ISBN 4-902716-00-3
メッセージ
現代社会において創造力の重要性は格段に大きくなってきています。新しいものを創造する力は、考え方や方法論を理解し、適切に訓練すれば飛躍的に伸ばすことが可能です。一緒に創造的問題解決の理論を学び実践に活かしましょう。
キーワード
創造,問題解決,心理的惰性,ブレインストーミング,ブレインライティング,チェックリスト法,マトリックス法,シネクティクス法,NM法,KJ法,TRIZ,特許分析,発明原理,技術進化の法則,知識データベース,イノベーション,Sカーブ,技術トレンド、技術的矛盾,物理的矛盾,発明原理,矛盾マトリックス,トレードオフ,矛盾パラメータ,問題解決ツール,テクノロジー予測,トレンド分析
持続可能な開発目標(SDGs)
(経済成長と雇用)包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する。
(インフラ、産業化、イノベーション)強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
(実施手段)持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する。
関連科目
品質工学
履修条件
連絡先
nohshima@yamaguchi-u.ac.jp (大島 直樹)
オフィスアワー
常時受付
(E-mailにより希望日時の連絡をお願いします。)
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