開講年度
開講学部等
2025
大学院技術経営研究科
開講学期
曜日時限
授業形態
AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
後期前半
金1~4
講義
3.0
時間割番号
科目名[英文名]
使用言語
単位数
8062100006
企業戦略特論[Corporate Strategy Theory]
日本語
2
担当教員(責任)[ローマ字表記]
メディア授業
稲葉 和也[INABA Kazuya]
ー
担当教員[ローマ字表記]
稲葉 和也 [INABA Kazuya]
特定科目区分
対象学生
秋入学者クラス
対象年次
ディプロマ・ポリシーに関わる項目
カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
メディア授業
×
メディア授業とは,メディアを利用して遠隔方式により実施する授業の授業時数が,総授業時数の半数を超える授業をいいます。
メディア授業により取得した単位は,卒業要件として修得すべき単位のうち60単位を超えないものとされています。
授業の目的と概要
今日企業を取り巻く環境は大きく変化しており、過去の企業行動の原理や行動様式の変革が迫られている。将来が予測できない環境の元でどのように対処すればよいのかを考えるためには経営戦略という指針が必要であり、経営戦略的な思考を受講者が身につける必要がある。経営戦略は「企業が有する経営資源と企業を取り巻く環境との間に、企業目的の実現にとって最も有利な適合関係を創り出すための手段選択の原理」と定義することができる。
本講義では、(1)企業のパフォーマンス測定に関する財務理論、(2)取引費用理論、(3)プリンシパル・エージェント理論、(4)ポジショニング理論、(5)内部資源を重視するRBV(リソース・ベースト・ビュー)、(6)ミンツバーグに代表される創発戦略、(7)リアルオプション理論等を取り上げる。企業戦略に関するこれらの理論や研究成果を受講者が習得し、現実に応用できる力を身につける。
授業の到達目標
この科目を受講し、以下のような実力が身に付くと、この科目の目指す学習目標に到達したと考えられる。
(1)企業経営の外部環境と内部の経営資源について理論的に要約し、統合して考えることができる。
(2)企業戦略論で取り上げるいくつかの理論について理解し、説明できる。
(3)戦略を策定し、実行することを意識して、企業経営に臨むことができる。
授業計画
【全体】
講義では、教科書に基づきながら具体的な事例をあげて企業戦略について講義形式で進める。講義者には毎回1章ずつ割り振って全体で報告してもらう。これは最初大変かもしれないが、経営戦略論のテキストを自分で読んで理解し、レジュメを作成して聞き手に分かるように報告することが一番内容を習得する上で近道である。指定された教科書(上、中、下巻の3冊)を事前に購入し、講義日の該当箇所を予習して欲しい。(DP1,2,3,4)
学習の仕方
・ 教科書の該当箇所は報告者以外も必ず予習しておくこと
・ 毎日現実に起こっている経済・経営に関するニュースや記事に目を配り、理論と結びつけて考えること。講義中に理論の具体例として尋ねることがある。
項目
内容
授業時間外学習
備考
第1回
戦略とは何か
戦略の定義
戦略と企業ミッション
創発戦略
戦略と企業経営の環境条件
予習・復習(学修時間の目安:4時間以上)
第2回
パフォーマンスとは何か
戦略の定義とパフォーマンスとの関係
パフォーマンス概念の定義
企業パフォーマンスの測定
予習・復習(学修時間の目安:4時間以上)
第3回
脅威の分析
SCPモデル
脅威を分析する5つの競争要因モデル
5つの競争要因と業界平均のパフォーマンス
5つの競争要因モデルの適用事例
国際環境における脅威
予習・復習(学修時間の目安:4時間以上)
第4回
機会の分析
業界構造と機会
戦略グループによる脅威と機会の分析
脅威と機会の分析におけるSCPモデルの限界
予習・復習(学修時間の目安:4時間以上)
第5回
企業の強みと弱み
企業の強み・弱みに関するこれまでの研究
組織の強みと弱みの分析
VRIOフレームワークの適用事例
リソース・べースト・ビューの意義
VRIOフレームワークの限界
予習・復習(学修時間の目安:4時間以上)
第6回
垂直統合
垂直統合の定義
垂直統合の経済価値
垂直統谷と持続的競争優位
垂直統合戦略のための組織
予習・復習(学修時間の目安:4時間以上)
第7回
コスト・リーダーシップ
コスト・リーダーシップの定義
コスト・リーダーシップの経済価値
コスト・リーダーシップと持続的競争優位
コスト・リーダーシップ実行のための組織
予習・復習(学修時間の目安:4時間以上)
第8回
製品差別化
製品差別化の定義
製品差別化の経済価値
製品差別化と持続的競争優位
製品差別化実行のための組織
製品差別化とコスト・リーダーシップの実行
予習・復習(学修時間の目安:4時間以上)
第9回
柔軟性
戦略の選択におけるリスクと不確実性の概念
柔軟性とオプションの定義
柔軟性の持つ経済価値
柔軟性と持続的競争優位
柔軟性戦略のための組織
予習・復習(学修時間の目安:4時間以上)
第10回
暗黙的談合
協調問題
談合の定義
談合の経済価値
暗黙的談合と持続的競争優位
暗黙的談合実行のための組織体制
予習・復習(学修時間の目安:4時間以上)
第11回
戦略的提携
戦略的提携の類型
戦略的提携の経済価値
戦略的提携と持続的競争優位
戦略的提携における組織
予習・復習(学修時間の目安:4時間以上)
第12回
多角化戦略
多角化の類型
多角化の経済価値
多角化と持続的競争優位
予習・復習(学修時間の目安:4時間以上)
第13回
多角化戦略の組織体制
エージェンシー・コスト
組織構造
マネジメント・コントロール・システム
報酬政策
予習・復習(学修時間の目安:4時間以上)
第14回
合併買収
M&A戦略の経済価値
M&Aと持続的競争優位
M&Aを実行する際の組織体制
予習・復習(学修時間の目安:4時間以上)
第15回
国際戦略
国際戦略の経済価値
国際戦略と持続的競争優位
国際戦略における組織体制
予習・復習(学修時間の目安:4時間以上)
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
・授業全体で、AL(アクティブ・ラーニング)が占める時間の割合を、それぞれの項目ごとに示しています。
・A〜Dのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
A: --% B: 30% C: --% D: --%
成績評価法
プレゼンテーション70%、レポート30%
教科書にかかわる情報
教科書
書名
『企業戦略論【上】基本編-競争優位の構築と持続-』
ISBN
9784478374528
著者名
ジェイ・B・バーニー
出版社
ダイヤモンド社
出版年
2003
教科書
書名
『企業戦略論【中】事業戦略編-競争優位の構築と持続-』
ISBN
4478374538
著者名
ジェイ・B・バーニー
出版社
ダイヤモンド社
出版年
2003
教科書
書名
『企業戦略論【下】全社戦略編-競争優位の構築と持続-』
ISBN
4478374546
著者名
ジェイ・B・バーニー
出版社
ダイヤモンド社
出版年
2003
教科書
書名
『わかりやすいマーケティング戦略』
ISBN
4641120862
著者名
沼上幹
出版社
株式会社有斐閣
出版年
2000
教科書
書名
Gaining and Sustaining Competitive Advantage
ISBN
9780136120926
著者名
Jay B. Barney
出版社
Pearson Education LTD.
出版年
2007
備考
参考書にかかわる情報
備考
メッセージ
何かわからないことがありましたら、遠慮無く聞きに来てください。
キーワード
競争優位、競争均衡、創発戦略、SWOTフレームワーク、リソース・べースト・ビュー、VRIOフレームワーク、ケイパビリティ、リアルオプション理論、ブラック・ショールズ方程式、戦略的提携、事業戦略、全社戦略、範囲の経済、シナジー
持続可能な開発目標(SDGs)
(経済成長と雇用)包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する。
(インフラ、産業化、イノベーション)強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
関連科目
履修条件
連絡先
e-mail:inaba@yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
講義日13:00~14:00
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