開講年度
開講学部等
2024
共通教育
開講学期
曜日時限
授業区分
AL(アクティブ・ラーニング)ポイント
YFL育成プログラム
前期集中
集中
講義
6.0
時間割番号
科目名[英文名]
使用言語
単位数
1001220017
知財展開科目B1(種苗法)[Intellectual Property Development SubjectB1]
日本語
1
担当教員(責任)[ローマ字表記]
メディア授業
陳内 秀樹[JINNAI Hideki]
○
担当教員[ローマ字表記]
陳内 秀樹 [JINNAI Hideki]
区分
対象学生
全学生
対象年次
ディプロマ・ポリシーに関わる項目
カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
メディア授業
×
メディア授業とは,メディアを利用して遠隔方式により実施する授業の授業時数が,総授業時数の半数を超える授業をいいます。
メディア授業により取得した単位は,卒業要件として修得すべき単位のうち60単位を超えないものとされています。
開設科目名(英訳)
Plant Variety Protection and Seed Act.
概要
新品種を登録品種として保護し登録品種を適性に流通させることで,農林水産業の発展を支えている知的財産権法のひとつである種苗法について学びます。また,国際的な品種保護の枠組みであるUPOV条約や,生物多様性条約に基づくABSについても扱い,植物を中心とした生物資源の研究開発とその活用を支えるための法的,国際的な知識についても俯瞰します。
一般目標
1.種苗法の定める植物新品種保護制度及び指定種苗制度を理解する。
2.種苗法の意義とその趣旨を理解する。
3.種苗法について事例や演習を取扱いながら,グローバルな視野に基づく実践的な能力の育成を目指す。
4 生物資源に関する知的財産制度の全般について,条約を含め理解する。
授業の到達目標
知識・理解の観点
・植物新品種保護制度の観点から知的財産を把握する。
・知的財産の権利の発生から消滅までについて植物新品種保護制度の観点から説明できる。
・特許制度との比較の観点から植物新品種保護制度について理解できる。
・改正種苗法と旧法の違いについて、その要点を説明できる。
思考・判断の観点
・植物新品種保護制度について,事例と法律を照らし適切に思考し妥当な判断をすることができる。
・品種登録要件を満たすか否かが判断できる。
・育成者権の権利範囲の判断ができる。
関心・意欲の観点
・植物新品種保護制度に関心をもつことができる。
・植物新品種の権利化および実務上の管理に関心を持つことができる。
態度の観点
・ディスカッションに際して,他者の意見を踏まえ築論しようとする。
技能・表現の観点
・新品種の権利化および管理について,入門レベルの処理ができる。
授業計画
【全体】
集中講義で以下のとおり実施します。
場 所:経済学部D101教室
日 時:6月29日(土)、30日(日)(9:00~16:20)
※通常の時間割より20分ずつ遅らせています。
持参品:ノートPC(電源アダプタ必須),筆記用具
ガイダンス
農業分野に係る知的財産制度の概要
植物新品種保護制度①
植物新品種保護制度②登録要件・審査
植物新品種保護制度③出願手続
植物新品種保護制度④育成者権の効力
植物新品種保護制度⑤権利侵害
植物新品種保護制度を補完するもの~指定種苗制度と条約及び生物多様性条約 等~
試験
項目
内容
授業外指示
授業記録
※
A
B
C
D
E
F
第1回
ガイダンス
農業分野に係る知的財産制度の概要
・農業分野の知的財産の全体像として、育成者権、産業財産権、著作権、営業秘密、GI、世界農業遺産、遺伝資源及び伝統的知識の保護を概説する。
・種苗法が定める植物新品種とは何か?
小レポート及びワークシートに記入し提出
【少】(授業時間の15%未満)
【中】(授業時間の15%〜50%)
【少】(授業時間の15%未満)
【少】(授業時間の15%未満)
-----
【あり】
第2回
植物新品種保護制度①
・植物新品種保護制度の趣旨,主体及び客体(対象)について解説を行う。
種苗法上の植物新品種とは何を意味するかを理解する。【1~2条】
また、侵害事例に触れ、制度とその運用の重要性について理解する。
特許法との比較
小レポート及びワークシートに記入し提出
【少】(授業時間の15%未満)
【中】(授業時間の15%〜50%)
【少】(授業時間の15%未満)
【少】(授業時間の15%未満)
-----
【あり】
第3回
植物新品種保護制度②
登録要件・審査
・品種登録の要件(区別性、均一性、安定性、未譲渡性、品種名称の適切性)について解説する。【3~4条】また、審査については、条文【15~18条】と、登録要件を欠き保護できなかった判例を元に理解を深める。
小レポート及びワークシートに記入し提出
【少】(授業時間の15%未満)
【中】(授業時間の15%〜50%)
【少】(授業時間の15%未満)
【少】(授業時間の15%未満)
-----
【あり】
第4回
植物新品種保護制度③
出願手続
・品種登録の出願手続きを、特許・商標の出願手続きと比較しながら説明する。職務育成や出願公表を含む【5~14条】、品種登録の維持及び取消についてもここで扱う【45~49条】
また、実際の出願事例を元に、理解を深める。
小レポート及びワークシートに記入し提出
【少】(授業時間の15%未満)
【中】(授業時間の15%〜50%)
【少】(授業時間の15%未満)
【少】(授業時間の15%未満)
-----
【あり】
第5回
植物新品種保護制度④
育成者権の効力
権利の発生と存続期間、効力、効力が及ばない範囲、共有・法人、専用/通常利用権、先育成権、裁定、移転、効果など育成者権の効力にまつわることを理解する。【19~32条】
また、効力が及ばず保護出来なかった事例を元に理解を深める。
小レポート及びワークシートに記入し提出
【少】(授業時間の15%未満)
【中】(授業時間の15%〜50%)
【少】(授業時間の15%未満)
【少】(授業時間の15%未満)
-----
【あり】
第6回
植物新品種保護制度⑤
権利侵害
差止請求権、損害額や過失の推定、信用回復措置など、権利侵害に関する条文【33~44条】及び罰則について理解する【67~75条】
水際制度【関税法69条2,11、同109条】についてもここで扱う。
雑則についてもここで触れる。【50~57条】
なお、それぞれ関係する判例を元に理解を深める。
小レポート及びワークシートに記入し提出
【少】(授業時間の15%未満)
【中】(授業時間の15%〜50%)
【少】(授業時間の15%未満)
【少】(授業時間の15%未満)
-----
【あり】
第7回
植物新品種保護制度を補完するもの
指定種苗制度と条約及び生物多様性条約
品種流通の適性化のための指定種苗制度【58~66条】と、植物新品種保護に関する条約(UPOV条約)、海外の植物新品種保護制度(米国植物特許等),生物多様性条約(ABS、PIC、MAT)について理解する。
小レポート及びワークシートに記入し提出
【少】(授業時間の15%未満)
【中】(授業時間の15%〜50%)
【少】(授業時間の15%未満)
【少】(授業時間の15%未満)
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【あり】
第8回
振り返りと試験
本講義内容を振り返り要点を整理する。
本講義内容を元に、試験を行う。(試験は資料の持ち込み可)
レポート及びワークシートに記入し提出
【少】(授業時間の15%未満)
【少】(授業時間の15%未満)
【少】(授業時間の15%未満)
【少】(授業時間の15%未満)
【あり】
【あり】
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注
①A〜Fのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
【E:振り返り】、【F:宿題】
②【多】、【中】、【少】は授業時間内におけるALが占める時間の割合を指しています。
【多】:授業時間の50%超、【中】:授業時間の15%〜50%、【少】:授業時間の15%未満。「振り返り」と「宿題」については該当する場合に【あり】と表示されます。
成績評価法
【全体】
試験と小レポートを中心に総合的に評価します。
【観点別】
知識・理解
思考・判断
関心・意欲
態度
技能・表現
その他
評価割合(%)
JABEE収集資料
定期試験(中間・期末試験)
◎
○
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30%
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小テスト・授業内レポート
○
○
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40%
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宿題・授業外レポート
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○
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25%
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授業態度・授業への参加度
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○
○
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受講者の発表(プレゼン)・授業内での制作作品
○
○
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○
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5%
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演習
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出席
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その他
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教科書にかかわる情報
備考
授業で用いるスライド資料を配布します。
参考書にかかわる情報
参考書
書名
逐条解説種苗法
ISBN
978-4-324-11158-1
著者名
農林水産省輸出・国際局知的財産課編著
出版社
ぎょうせい
出版年
2022
備考
メッセージ
日本の品種の海外への流出は度々ニュースになっています。品種が持ち出され日本の農産物輸出を妨げる状況になっているというものです。技術でいかに優れても,知的財産制度を知り保護できなければ,折角,新品種を生み出しても活かすことができません。 また,いわゆるバイオパイラシー行為を防ぐ遺伝資源の取扱の枠組み(ABS)も,教養としてぜひ身に付けていただきたい知識です。
法律科目ではありますが法的な知識の修得のみならず,事例や判例を元に思考しディスカッションする過程を通じて,知的財産制度を戦略的に活用できる資質を身に付ける科目です。
キーワード
種苗法,新品種,生物多様性条約(ABS),UPOV条約,農学,育種
持続可能な開発目標(SDGs)
(教育)すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。
(経済成長と雇用)包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する。
(インフラ、産業化、イノベーション)強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
(持続可能な生産と消費)持続可能な生産消費形態を確保する。
関連科目
「科学技術と社会~知財入門~」,「知財展開科目 農業と知的財産」,「知財展開科目 知財情報の分析と活用」
連絡先
電話:0836-85-9973(直通)
メール:h-jinnai@yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
宇部の常盤キャンパス内にある知的財産センターで業務を行っています
業務の都合で吉田キャンパスに出かけることもあります
メールでご連絡いただくことが確実です。
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