タイトル

開講年度 開講学部等
2023 大学院創成科学研究科(博士前期)
開講学期 曜日時限 授業区分 AL(アクティブ・ラーニング)ポイント YFL育成プログラム
前期集中 集中 講義 4.0  
時間割番号 科目名[英文名] 使用言語 単位数
3242010330 物理学特別講義Ⅰ(電波観測による宇宙論) 日本語 1
担当教員(責任)[ローマ字表記] メディア授業
山内 大介[YAMAUCHI Daisuke]
担当教員[ローマ字表記]
山内 大介 [YAMAUCHI Daisuke], 齊藤 遼 [SAITOH Ryo]
区分   対象学生   対象年次 1~2
ディプロマ・ポリシーに関わる項目 カリキュラムマップ(授業科目とDPとの対応関係はこちらから閲覧できます)
開設科目名〔英訳〕
Cosmology in Radio Observations
概要
中性水素原子は陽子と電子とのスピンの相対的な向きによって2つの準位(超微細構造)に分裂する。この準位間の遷移で波長が21cmのスペクトル線を示すことが知られている。これを21cm線と呼び、宇宙観測において中性水素を探る重要なツールとなっている。この21cm線は現在および将来の観測的宇宙論において中心的な役割を演じると考られている。中性水素原子は、星や銀河などが存在しなくても宇宙に莫大な数が存在していることから、中性水素21cm線は宇宙の一番星の出来る前の時代(暗黒時代)や宇宙が電離していく過程(再電離期)のユニークな観測量となる。またその信号は、宇宙物理学的な不定性によらずに遠方宇宙を探ることが出来ることから、原始宇宙の重要なプローブとしても期待できる。本講義では、21cm線を用いた観測的宇宙論について、その基礎から現状までを概観するとともに、将来観測における宇宙論へのインパクトを議論する。
一般目標
観測的宇宙論の現状について理解するとともに、中性水素21cm線による遠方宇宙の観測といった最先端の問題を基礎物理学の知識を用いて理解し、その概要を説明できるようになる。また、それによって得られる宇宙論的情報を理解する方法を身につける。(DP2)
授業の到達目標
知識・理解の観点
物理的な基礎過程を理解することで、中性水素21cm線に関する基礎知識を身につける。
思考・判断の観点
基礎物理学を用いて中性水素21cm線を用いた遠方宇宙の観測を説明できるようになる。
関心・意欲の観点
将来の観測計画やそれによって得られる宇宙論的情報を紹介し、宇宙論に対する関心を高める。
態度の観点
授業に出席し、議論に参加する。
技能・表現の観点
講義で学んだ内容を自分なりにかみ砕き、考えたことをレポートに表現する。
授業計画
【全体】
授業前半では、宇宙論や電波観測の基礎知識や現在の観測成果について解説する。それらを基礎として、中性水素21cm線に着目し、各時代における中性水素21cm線に関する物理的な諸過程について議論する。後半では、中性水素21cm線を用いた遠方宇宙観測について、特に地球上・月面での観測のそれぞれについて最先端の研究成果を紹介する。
項目 内容 授業外指示 授業記録
A B C D E F
第1回 本講義の概要および観測的宇宙論の現状 講義の概要、成績評価法の説明、観測的宇宙論の現状の解説 予習として宇宙論について調べておく(学習時間の目安:2時間) 【少】(授業時間の15%未満) 【少】(授業時間の15%未満) 【少】(授業時間の15%未満) 【少】(授業時間の15%未満) ----- -----
第2回 宇宙論の基礎 講義で使用する宇宙論の基礎的な概念の説明 講義内容を復習する(学習の目安:2時間) 【少】(授業時間の15%未満) 【少】(授業時間の15%未満) 【少】(授業時間の15%未満) 【少】(授業時間の15%未満) ----- -----
第3回 中性水素21cm線 中性水素21cm線の概念と宇宙論における役割についての解説 授業内容を復習し、課題を実施する(学習の目安:2時間) 【少】(授業時間の15%未満) 【少】(授業時間の15%未満) 【少】(授業時間の15%未満) 【少】(授業時間の15%未満) ----- -----
第4回 輻射輸送 中性水素21cm線を理解するのに必要な輻射輸送についての導入 授業内容を復習する(学習の目安:2時間) 【少】(授業時間の15%未満) 【少】(授業時間の15%未満) 【少】(授業時間の15%未満) 【少】(授業時間の15%未満) ----- -----
第5回 スピン温度 中性水素21cm線における中心的概念であるスピン温度と宇宙論的発見を説明 授業内容を復習する(学習の目安:2時間) 【少】(授業時間の15%未満) 【少】(授業時間の15%未満) 【少】(授業時間の15%未満) 【少】(授業時間の15%未満) ----- -----
第6回 21cm線グローバルシグナル 中性水素21cm線の観測量であるグローバルシグナルについての説明 授業内容を復習し、課題を実施する(学習の目安:2時間) 【少】(授業時間の15%未満) 【少】(授業時間の15%未満) 【少】(授業時間の15%未満) 【少】(授業時間の15%未満) ----- -----
第7回 21cm線パワースペクトル 中性水素21cm線の空間的なゆらぎと観測量であるパワースペクトルについて説明 授業内容を復習する(学習の目安:2時間) 【少】(授業時間の15%未満) 【少】(授業時間の15%未満) 【少】(授業時間の15%未満) 【少】(授業時間の15%未満) ----- -----
第8回 ゆらぎの非線形成長と21cm線バイスペクトル 21cm線ゆらぎのバイスペクトルを解説、講義内容の振り返り 授業内容を復習し、課題を実施する(学習の目安:4時間) 【少】(授業時間の15%未満) 【少】(授業時間の15%未満) 【少】(授業時間の15%未満) 【少】(授業時間の15%未満) ----- -----
※AL(アクティブ・ラーニング)欄に関する注 
①A〜Fのアルファベットは、以下の学修形態を指しています。
【A:グループワーク】、【B:ディスカッション・ディベート】、【C:フィールドワーク(実験・実習、演習を含む)】、【D:プレゼンテーション】
【E:振り返り】、【F:宿題】
②【多】、【中】、【少】は授業時間内におけるALが占める時間の割合を指しています。
【多】:授業時間の50%超、【中】:授業時間の15%〜50%、【少】:授業時間の15%未満。「振り返り」と「宿題」については該当する場合に【あり】と表示されます。
成績評価法
【全体】
数回に1回ごとに授業の最後に課すリアクションペーパーとレポートによる。授業中の発言や質問の回数、内容を加味する。
【観点別】
知識・理解思考・判断関心・意欲態度技能・表現その他評価割合(%)JABEE収集資料
定期試験(中間・期末試験) --- --- --- --- --- --- 評価に加えず ---
小テスト・授業内レポート --- 20% ---
宿題・授業外レポート --- --- 80% ---
授業態度・授業への参加度 --- --- --- --- --- --- 評価に加えず ---
受講者の発表(プレゼン)・授業内での制作作品 --- --- --- --- --- --- 評価に加えず ---
演習 --- --- --- --- --- --- 評価に加えず ---
出席 --- --- --- --- --- --- 欠格条件 ---
その他 --- --- --- --- --- --- 評価に加えず ---
教科書にかかわる情報
備考
担当教員が用意したスライド資料と板書を組み合わせて講義を行います。
参考書にかかわる情報
参考書 書名 電波天文学 ISBN 4535607664
著者名 中井直正, 坪井昌人, 福井康雄編 出版社 日本評論社 出版年 2020
参考書 書名 宇宙論の物理 ISBN 4130626167
著者名 松原隆彦著 出版社 東京大学出版会 出版年 2014
備考
講義の中で適宜、参考書・参考図書を紹介します。
メッセージ
積極的に参加してください。
キーワード
宇宙論、中性水素21cm線、暗黒時代
持続可能な開発目標(SDGs)

関連科目
連絡先
講師: 山内大介(岡山理科大学) yamauchi.d@gmail.com
世話人: 齊藤遼(山口大学) rsaito@yamaguchi-u.ac.jp
オフィスアワー
集中講義期間中はいつでも質問を受け付けます。

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